入浴剤は、近年バスタイムを充実させたい方が増えてきており、人気のアイテムとなっています。
入浴剤をつくってみたいと思うものの、初めてのOEMでどのような商品にすればいいのかお悩みではありませんか。
この記事では、入浴剤の種類やOEM生産のポイントを解説します。
入浴剤の種類と成分
入浴剤は、効能や剤型の種類が豊富です。
どのようなタイプの入浴剤にするかで、商品イメージが大きく変わります。
無機塩類系
無機塩類を基剤として、保湿剤、色素、香料などの成分を添加した入浴剤です。
無機塩類は入浴による温熱効果や清浄効果を高めたり、湯を軟らかくしたりする効果があります。
成分の塩類(ミネラル等)が皮膚の表面のタンパク質と結合して身体に保護膜をつくり、入浴後も体が冷えにくくなります。
身体の冷えが気になる方や、寒い日にしっかり温まりたいときの使用が中心です。
塩類を顆粒状にしたものや、天然塩を使うソルトタイプがあります。
使用される無機塩には以下のものがあります。
炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸マグネシウム、メタケイ酸ナトリウムなど
炭酸ガス系
炭酸塩と有機酸類を組み合わせて配合することにより、湯のpHを調整して炭酸ガスを発生させながら溶けるタイプの入浴剤です。
湯中に溶け込んだ炭酸ガスは、皮膚から吸収されて血管を広げます。
これにより血行が良くなって全身の新陳代謝が活発な状態になり疲れを和らげる効果があります。
保湿剤、色素、香料、その他の成分を加えることによりバリエーションが増やせます。
炭酸塩として
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど
有機酸類として
コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸など
が配合されます。
発泡タブレットタイプとバスボムタイプがあり、バスボムは立体形状を自由に作成可能で、見た目も楽しめる入浴剤です。
薬用植物系(生薬系)
生薬類をそのまま刻んだものと、生薬エキスを取り出して無機塩類等と組み合わせた2種類のタイプがあります。
粉末・顆粒・刻んだ生薬などがあり、刻みタイプはお湯の中で揉むことで生薬の成分が溶け出し、高い効果を得ることができます。
生薬類は入浴による温熱効果を高める効果がありますが、商品によって配合されている生薬が異なるため、効果が変わります。
- トウキやセンキュウ:血行促進効果、温浴効果を高め、肩こりや腰痛を和らげる
- チンピ:肌荒れやしっしんを和らげる
よく配合される生薬は以下のものがあります。
ウイキョウ、オウゴン、オウバク、カミツレ、コウボク、米発酵エキス、ジュウヤク、ショウブ、センキュウ、チンピ、トウキ、トウヒ、トウガラシ、ニンジン、ユズ、ヨモギ、ボウフウ、ハッカ葉、ショウキョウ、甘草、ケイヒなど
酵素系
酵素類は皮膚を清浄にする効果があります。
無機塩類を基剤に酵素を配合することで、古い角質を落としやすくし、肌をすべすべにします。
配合される酵素は、パパイン、パンクレアチン、蛋白質分解酵素などです。
清涼系
無機塩類系や炭酸ガス系の基剤に、清涼成分等により冷感を付与させ、入浴後の肌をサッパリさせる入浴剤で、夏の入浴に人気です。
清涼成分としてメントールが配合されたものは、入浴後に風に当たるとひんやりします。
スキンケア系
保湿成分を多く含み、肌の乾燥を和らげる入浴剤です。
入浴中の肌はふやけて柔らかくなっていて、保湿成分が浸透しやすい状態になっているので、成分が角質層内部にまで浸透します。
保湿成分が肌をしっとりさせ、入浴後は全身しっとりすべすべになります。
スキンケア系の入浴剤は、バスオイルやバスエッセンス、バスミルクとも呼ばれる液体タイプが主流です。
配合される保湿成分は以下のものがあります。
液状ラノリン、ホホバ油、グリセリン、カゼイン、ステアリルアルコール、オリーブ油、大豆油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、脱脂粉乳、スクワラン、ハチミツ、ポリエチレングリコール、コメ胚芽油
バスソルトと入浴剤の違い
バスソルトはその名のとおり浴槽に入れる塩で、入浴剤の起源ともいわれています。
現在はアロマオイルを含ませたり、ハーブを混ぜ込んだりしたものが主流で、天然塩もしくは硫酸マグネシウムが原料になっています。
バスソルトと入浴剤は薬機法で区別されている
バスソルトと入浴剤は薬機法で明確に区別されていて、一般的に入浴剤と呼ばれるものの多くは「薬用入浴剤」で、温泉成分に由来するものや無機塩類化合物を配合した「医薬部外品」に該当します。
バスソルトは「化粧品もしくは雑貨品」になります。
医薬部外品はハードルが高い場合にはバスソルトの販売という選択肢もありますが、入浴剤ほど効能や効果を訴求することはできません。
バスソルトには以下のような効果があるとされています。
- 血行促進・体を温める(温浴効果)
- デトックス効果・むくみとり効果
- 発汗作用
- 配合されているアロマの香りやハーブでリラックスできる
化粧品OEMで入浴剤をつくるポイント
化粧品OEMで入浴剤をつくる場合は、コンセプトをしっかり決めることが重要です。
冷え性の方向け商品か、疲労回復なのかスキンケアなのかで商品が変わってきます。
入浴剤の種類を決める
入浴剤は、基材や形状などの種類が豊富です。
入浴剤の種類によって得られる効果も異なってくるため、コンセプトや利用シーン、ターゲット像などをしっかりと定めましょう。
また、入浴剤のタイプによってパッケージの形状も異なってきます。
- 粉末タイプ:アルミパウチ
- 液体タイプ:プラスチックボトル
- 生薬(刻み)タイプ:不織布バッグ
- タブレット:個包装
など、形状にあわせてパッケージデザインについても考えましょう。
最小ロット数を確認する
製造する入浴剤の種類が決まったら、次はロット数について検討しましょう。
一般的にロット数が多いほど1製品あたりの製造単価が下がります。
初めてのOEMなら小ロットで生産したいですよね。
粉末の入浴剤やバスボムなどは比較的小ロット生産がしやすく、最低100個から受注できることもあります。
ただし、あまり小ロットだと資材や原料の価格が割高になってしまい、コストパフォーマンスが下がることもあるので、経済ロットでの生産も視野に入れて相談しましょう。
入浴剤製造が得意なOEM企業を選ぶ
入浴剤は、基材が粉末か液状かによって、必要となる製造設備が大きく異なります。
液体タイプに関しては、汎用設備で生産できるので、化粧品の製造を行っている企業であればどの企業でもOEM製造が可能でしょう。
粉末タイプやソルトタイプ、タブレットタイプ、バスボムタイプについてはそれぞれ専用の製造設備が必要です。
製造したいタイプの入浴剤の製造実績があるか、製造設備を持っているのかを確認することが非常に重要になります。
医薬部外品の製造実績がある
保湿効果の高いスキンケア用の入浴剤など、薬用入浴剤をつくるのであれば、医薬部外品が製造できるOEM企業を選びましょう。
医薬部外品の処方を豊富にもつ、実績のある企業に依頼することで、希望の入浴剤をつくることが可能です。
また、汎用処方を持つOEM企業であれば、打ち合わせから販売までの期間を大幅に短縮できます。
まとめ
入浴剤は、機能や剤型も豊富で、小ロットからのOEM生産に適した製品です。
どのような入浴剤がいいか悩んだらプロに相談してみるといいでしょう。
この記事を参考にして、素敵な入浴剤をつくってください。