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化粧品OEM パッチテスト

化粧品OEMに関する基礎知識 パッチテストとは?

化粧品OEM パッチテスト

化粧品は、直接肌に触れる製品なのでパッチテストやアレルギーテストで安全性を確認して、ユーザーに安心して使用してもらいたいですよね。

また、ヒトの肌での安全性試験を通じて万一のクレームに備えておくことは、ブランドの信頼性に繋がります。

この記事では、パッチテストの基本的な考え方と実施方法について解説します。

パッチテストとは

パッチテストは、化粧品の皮膚への安全性を確かめる試験です。

多くの場合は専門の試験受託会社に依頼して行ないます。

企業の責任で安全性を確認しなければならない

2001年の薬事法(現薬機法)改正により、パッチテスト等による化粧品の安全性保証は企業の責任に追加されました。

化粧品の品質・安全性については、企業の責任下で安全性試験を実施しなければなりません。

これは輸入化粧品業者でも同様で、輸入業者自身に化粧品の品質保証責任・製造物責任があります。

パッチテストは人を被験者にして行われる

パッチテストなどの試験はヒトの皮膚で行う最終的な安全性試験です。

化粧品は、皮膚(肌)、頭髪、頭皮を清潔にし、美化し、力を増し、容貌を変え、状態を改善し、健やかに保つ目的で、日常的に使用されます。

様々な成分が配合されている化粧品ですから、処方や原料の成分によっては、肌に対して思いもよらない作用が出てしまう危険性があるものです。

皮膚などに塗布されたものが皮膚の状態を乱すものであれば、皮膚には紅斑、浮腫などの反応が生じたり、刺激を感じたり、炎症反応が局所や全身に広がります。

この意図しない皮膚トラブルを避けるために、あらかじめ販売前にパッチテストを実施します。

パッチテスト済みの訴求が可能になる

パッチテストで安全性が確認された製品のラベルには、「パッチテスト済み」と表示する事が可能です。

低刺激であることが確認されているので、ユーザーに安心してもらえる利点があり、購入動機の1つになるでしょう。

パッチテストの方法

パッチテストは通常、健常被験者による24時間(場合によっては48時間)閉塞パッチテストという形でおこなわれます。

パッチテストの手順

対象となる化粧品を染み込ませた皮膚テスト用テープを被験者の背中に貼り付けて、24時間後にはがします。

試験は皮膚科専門医管理下で実施され、剥離後1時間および24時間に、被験部位に生じた紅斑、浮腫、丘疹などの皮膚反応を医師が判定します。

反応なし(陰性・-)から、大水疱(強陽性・++++)まで6段階で評価します。

(判定は日本化粧品工業連合会による「化粧品の安全性評価に関する指針」に準拠)

パッチテストの被験者数

パッチテストの被験者数について厳格な規定はなく、少人数でも問題ありません。

しかし、試験結果を「パッチテスト済み」としてユーザーへの訴求に使用するのであれば、被験者数は20人以上で実施するのが望ましいとされています。

受託検査では結果への信頼性から、最低被験者数は20名からとなっていることがほとんどです。

パッチテストの期間やコスト

実際に試験がおこなわれる期間は3または4日になります。

その他に試験の準備や報告書の作成などで、トータル1週間以上かかることが普通です。

被験者が人になるため、全体的に受託試験の費用は高額になり、1検体・被験者20名で75,000円~となっています。

簡易的なパッチテスト

パッチテストは簡単に行うことができます。

処方開発のときに、簡易的なパッチテストで安全性を確認することもあります。

簡易パッチテストの手順

手順は3ステップでおこない、問題なければ顔に使用しても大丈夫と判断していいかもしれません。

  1. 化粧品を適量取って二の腕の内側に塗る
  2. 化粧品を塗った状態で24時間様子を見る
  3. フェイスラインなどで少量塗り、同じように確認をする

途中で腫れ・かゆみ・赤みなどの炎症反応が出た場合にはすぐに洗い流し、パッチテストは終了します。

より詳しく調べるために、受託試験を依頼するなどして、原因を調査することもあります。

絆創膏を使った簡易テスト

化粧品をただ塗っただけでは落ちてしまい、正確に判断できない場合は絆創膏による簡易テストも可能です。

化粧品の種類によって塗布の方法を変えます。

化粧水・美容液・乳液・香水などの液体のもの

絆創膏のガーゼ部分がありますが、この部分に塗って肌の目立たない部分に張り、そのままの状態で24時間又は48時間経過を見ます。

絆創膏を剥がして、翌日(24時間)まで皮膚の状態を観察します。

石けん・クレンジング・シャンプーなど

対象の化粧品を精製水・蒸留水で薄めて、絆創膏に塗って肌に貼る方法です。

確認方法は同じです。

ヘアカラー剤のパッチテスト

ヘアカラーに含まれる「酸化染料」が原因で、アレルギー性のかぶれが起こることが知られています。

ヘアカラーのパッチテストは、ヘアカラーにかぶれる体質であるかどうかを調べるテストで、ユーザーが使用ごとに必ずおこないます。

テスト部位の観察はテスト液塗布後30分位および48時間後の2回行います。

パッチテストで皮膚に刺激を感じたり、異常がでた場合は、以降はヘアカラーの使用は一切できません。

その他の安全性テスト

パッチテストのほかにも安全性試験があり、新商品の開発の際には必要に応じて実施します。

スティンギングテスト

敏感肌の人に実際に化粧品を使用してもらい、化粧品を皮膚につけた際のかゆみ、ほてり、ひりつき、痛みなどの不快な感覚刺激を評価する試験です。

主に敏感肌用や子供向けの低刺激性な化粧品で行われます。

試験は感覚刺激に敏感な被験者を選抜して、顏にサンプルを塗布します。

試験によっては使用前の状態と使用後の状態を、皮膚科専門医の立ち会いのもと確認することがありますが、基本的には被験者の主観による評価です。

使用時の一過性の刺激を見るので、経過観察は評価しません。

評価判定に合格すると「低刺激、刺激が少ない、スティンギングテスト済み」と訴求が可能になります。

RIPT(累積刺激及び感作試験)

RIPTは、皮膚に対するアレルギー性を評価するために行います。

対象の化粧品を肌に連続して塗布することで、皮膚に累積された刺激反応を確認することができます。

一般的な方法として、24時間閉塞パッチテストを週3回×3週間繰り返します。

一度2週間の休息期間を置いた後、24時間閉塞パッチテストを再度実施して、皮膚刺激反応を観察し判定します。

繰り返し被験品を貼付する試験で、皮膚への負担も大きく、被験者の安全性確保及び倫理的観点から、「日本人被験者を対象としたパッチテスト(24時間閉塞貼付、被験者20名以上、皮膚科医師による判定)で、安全性が確認された化粧品であることが試験を行う条件です。

判定に合格すると「アレルギーテスト済み」と表示できます。

ノンコメドジェニックテスト

ニキビの原因になりやすい毛穴を覆う化粧品(日焼け止めやファンデーションなど)について行われる試験です。

コメドとは、ニキビの初期段階で毛穴が詰まっている状態のことを指します。

ニキビの初期症状が一定の基準で現れるかをテストし、ニキビが生じにくい製品かを確認する目的で行われます。

比較的皮脂腺の多いヒトの背中を利用してサンプルを複数回繰り返し塗布し、コメドが形成されているかどうかを確認します。

テストをクリアした商品は「ノンコメドジェニックテスト済み」などの表記をされ、ニキビができやすい体質の方に選ばれる化粧品になります。

まとめ

パッチテストは化粧品の安全性を担保する大切な試験です。

新商品の開発の際には、安全性試験のコストも踏まえて予算やスケジュールを組みましょう。

初めてのOEMで分からないことがあれば、実績のあるOEM会社に遠慮なく相談してみましょう。

この記事を参考にして、安全な化粧品をつくってください。


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