近年、多くの企業が化粧品業界へ進出しています。多くのライバルがいる化粧品業界で成功するには、どうしたらいいのでしょうか。
本記事では化粧品業界へ初めて参入する企業様に向けて、コスメ事業の始め方や化粧品OEM会社について、コスメ事業の成功のポイントなど説明していきます。
コスメ事業の始め方
3つのコスメ事業の始め方を説明していきます。
コスメ事業の始め方の1つ目は、オリジナルコスメを自社で作る方法です。
自社で製造するので費用を抑えることはできますが、コスメを作る際に必要な「化粧品製造販売業」の許可の取得が必要です。許可を取得するのには時間とお金、労力、知識を必要とします。
許可の取得以外にも化粧品に関する専門的な知識がないとオリジナルコスメを作ることは難しいです。
2つ目は、海外からコスメを輸入して販売する方法です。日本では取り扱いのないコスメを販売することで注目を集めることができますが、こちらも「化粧品製造販売業」の許可の取得、さらに「化粧品外国届出書」「輸入届出書」の提出が必要になります。
輸入手続き自体が難しいため、専門的な知識がないと時間と労力だけがかかってしまいます。
3つ目は、化粧品OEM会社を利用してコスメを作る方法です。自社に製造技術が蓄積されませんが、OEM会社は化粧品販売に必要な許可を取得しているため、許可証がなくてもコスメの販売ができます。
OEM会社のこれまでに蓄積されたノウハウを活用でき、専門的な知識がなくてもコスメの製造・販売することができるため、1番現実的だと思います。
化粧品OEMとは
OEM会社とは「Original Equipment manufacturer」頭文字をとって、OEMと呼ばれています。日本語に訳すと「オリジナル製品を製造すること」。
自社ブランドとして販売したい化粧品の開発・製造を、専門の会社(OEM会社)に委託することです。販売するには実績や自信があるけれど、製造する実績や工場設備がない、そういった企業が化粧品会社OEMメーカーを利用し、自社オリジナル化粧品を生み出します。
化粧品OEMの製造プロセス
全体のスケジュール感をつかむために、製造プロセスを見ていきましょう。
1. OEM会社との商談
2. コンセプト・企画決定
3. 処方開発
4. 価格調整
5. 容器・パッケージ・デザイン決定
6. 最終見積もり
7. 発注
8. 薬事申請
9. 納品
企画や開発に3カ月、製造に3カ月かかると考えると、1つのオリジナル商品を開発するにあたり、約半年ほどがかかります。見積もり決定後も原料の調達や、処方、容器の安定性の試験などさまざまな準備が必要になってきます。
全てがスムーズに進むとは限りませんので、トラブルや予想外のできごとに備えて余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。
化粧品OEM会社の探し方
OEM会社の探し方の3つの方法をご案内します。
ネットで「化粧品 OEM」と検索すると多くの化粧品OEM会社の情報が表示されます。OEM会社のサイトに実績や作ることのできるコスメなどが載っているので参考になります。
化粧品OEMの展示会に参加することで、実際に事例を見たり担当者と話すこともできます。実際に見ることでイメージがふくらみ、知りたい情報をすぐに聞くことができるのでおすすめです。
化粧品OEM会社に特化したマッチングサイトがあります。利用することで希望のコスメを製造できる会社とすぐにコンタクトがとれるため、時間を無駄にすることなくスムーズに進みます。
化粧品OEM会社選びのポイント
OEM会社を選ぶ際は、3つのポイントに着目しOEM会社を選びましょう。
- どんなコスメが得意な会社か
- 技術や実績があるか
- 対応できるロット数
化粧品OEM会社には、得意な分野、苦手な分野それぞれ存在します。コスメにはベースメイクやポイントメイク、リップメイクなど数多くの種類があります。
全種類のコスメ作りが得意なOEM会社はありません。作りたいコスメの製造が得意な会社に任せることで、スムーズに取引が進み的確なアドバイスを受けることもできます。
作りたいコスメを作れる技術や実績があるかを見極めることが大切です。
OEM会社によって技術レベルがさまざまです。作りたいコスメの実績が多く、持っている処方が多いとひとつの要望に対しさまざまな提案をしてくれたり、より良いオリジナルコスメ開発に繋がるといえます。
OEM会社によって実績や持っている処方が異なるため、事前に調べたり、問い合わせることをおすすめします。
初めてのコスメ作りは小ロットで発注したいという思いがあると思いますが、OEM会社やコスメの種類によって対応できるロット数が大きく変わります。
商品1個当たりの価格は高くなってしまいますが、トータルでかかる費用や在庫を抱えるリスクを減らせるので、初めは小ロットから始めると安心です。最初の問い合わせの時点で小ロットが可能かどうか確認しておきましょう。
また、資材は価格の半分以上を占めるため、資材選びも重要なポイントです。
コスメ事業、成功のポイント
作りたいコスメの種類やイメージをしっかりと決めておきましょう。
初めてのコスメ作りで大切なことは、販売する数と予算の兼ね合いを考えておくことです。売れる算段がないうちに、多くの数を作りすぎてしまうと広告費などの費用、在庫管理も重くのしかかります。
オリジナルコスメは市場にだしてみないと売れるかどうかはわかりません。最初は小さくスタートし、売れれば追加で発注していくことをおすすめします。
OEM会社に相談し、アドバイスを受けながらスムーズに進めていきましょう。
以下の3つのイメージを事前に考えておくと安心です。
- 予算
限られた予算の中で優先順位を考えておくことが必要です。どのような成分を配合したいか、どのような容器にしたいかなどを考えましょう。
- 販売価格
予算が決定したら販売価格を考えましょう。
しかし、販売価格を決めるのにブランドイメージや原価、ターゲット層などを考慮しなければなりません。まずは大体のイメージを持つことが大切です。
- 予定販売個数
どれくらいの期間でどのくらいの量を販売するのかを考えましょう。予算との兼ね合いになりますが、どれくらい売ろうとしているのかを決めておくことで、コストバランスをイメージしやすくなるかと思います。
コスメの成分選びが大切
オリジナルコスメを作る上で大切なことは、原材料です。コスメを使用するときに1番気になることは成分だと思います。
肌に直接塗るものは安心安全なものを使用したいと思っている方は多くいます。
コスメの成分を大きく分類すると、基礎成分、配合成分、香料・色素、補助成分の4つにわけられます。
それぞれの成分を説明します。
基礎成分
基礎成分とは土台になるもので、コスメの使用感やテクスチャーなど化粧品作りの基本となる部分です。基礎成分は油性成分、水性成分、粉末成分、界面活性剤に分類されます。
配合成分
配合成分とはどんな効果のあるコスメにするのか、特徴をだす部分です。美白や保湿効果などの役割のことで、保湿剤、収れん剤、洗浄剤、清涼剤、紫外線防止剤といった成分があります。
香料・色素
香料・色素とはコスメに香りや色を付けることで消費者に楽しんでもらいます。ですが、人それぞれの好みがあるため、難しい部分でもあります。使用できる香料は約1500種類あります。
補助成分
補助成分とは防腐剤や酸化防止剤といった成分になります。発生しやすいカビや雑菌の繁殖を抑えるなど、大切な役割です。
まとめ
本記事では化粧品業界へ初めて参入する企業様に向けて、コスメ事業の始め方や成功のポイント、化粧品OEM会社についてご紹介させていただきました。
コスメ事業の始め方や成功のポイントを知っておくことで、化粧品業界にスムーズに参入できるかと思います。
ぜひ参考にしていただきながら、素敵なコスメを作ってくださいね。