体を洗う時、手を洗う時、あなたは石鹸と合成洗剤どちらを使用しているでしょうか。
石鹸も合成洗剤内容は同じでしょ?と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし実際は原料・製法・成分など全く異なる別物なのです。
今回はそんな石鹸とは何なのか、石鹸の種類から製造方法、またOEMメーカーの選び方まで詳しく解説していきます。
石鹸とは
「石鹸」とは天然油脂もしくは脂肪酸とアルカリでできた物質です。
原料は動物や植物からとれる油脂を使用しており、それとアルカリを混ぜて加熱し、化学反応を起こして製造されています。石鹸の種類としては様々なものがありますが、固形・粉状のものは脂肪酸ナトリウムで作られ、主に浴槽石鹸や洗濯石鹸等に使われています。液体・ジェル状のものは脂肪酸カリウムで作られ、ハンドソープや台所石鹸に利用されています。
石鹸と合成洗剤の違い
では石鹸と合成洗剤は何が違うのでしょうか。両者とも汚れを落とすものではありますが、成分や製法も全く違います。
石鹸は紀元前3000年代の頃、人が獣を仕留め焼いて食べていた際に、燃えた木の灰に獣の肉の油が滴り、そこに雨が降ることで偶然できた、ぬめぬめしたものが「汚れを落とす土」として発見されたのがはじまりと言われています。このような起源からはじまり石鹸は「天然素材」だけを使用して作られてきました。
一方、合成洗剤は石油などを原料とし、化学合成で作られた合成界面活性剤が成分となっています。合成洗剤は第一次世界大戦頃に複雑な化学合成を経て作られた、本来自然界には存在しない物質なのです。
また、合成洗剤は人体や自然への影響がたびたび議論もなっています。洗剤を選ぶ際には、それぞれの特性も頭に入れたうえで、目的に合うものを選ぶことをおススメします。
石鹸の種類
石鹸の種類は数えきれないほど存在しています。ここでは自分のブランドを立ち上げる人向けにどのような石鹸の選択肢があるのかお伝えしていくために、代表的なオリジナル石鹸を紹介いたします。
植物由来のオイルやハーブといった自然成分の材料を使って作られた石鹸です。
添加物や合成界面活性剤といった、肌に刺激を与える成分が入っていないことが特徴です。
馬のたてがみ近くの肉から抽出される油「馬油」を使って作られた石鹸です。
馬油は人の皮脂と似ているといわれており、馬油石鹸の浸透性や保湿性、殺菌の効果が期待され人気があります。
仕上がりの見た目が「透明」な石鹸です。通常の石鹸とは配合する材料や添加物、工程が異なります。透明度や手触りで差別化が図れるため、OEMでも相談の多い石鹸です。
ご当地石鹸もオススメ!
OEMで作る石鹸の中には、地域の特産品を活かした石鹸もあります。
そこでしか手に入らない地域の特産物を使った石鹸が観光客を呼び込むきっかけになり、町おこしや土産物の購入で地域活性化に繋がっていきます。
沖縄
沖縄の特産品であるシークァーサーや月桃を使った石鹸が有名です。
月桃は沖縄で古くから親しまれていて、薬草として利用されてきました。野山に自生していたり、民家の庭先などで育てられている、ごく身近な植物です。
北海道
十勝の小豆、オホーツクの天然塩、白樺やモミ、ラベンダーなど自然が多い北海道の恵みを活かした石鹸があり、お土産に人気です。
福岡
福岡には「大宰府の恵梅実」を使った石鹸があります。
梅エキスのほか、製造に欠かせない水も大宰府で採取するという、こだわりの石鹸です。
石鹸の製造方法について
石けんは、天然油脂(もしくは天然油脂が元の脂肪酸)を原料に、主に「鹸化法」もしくは「中和法」、という製法で作られます。天然油脂などの原料を苛性ソーダ・苛性カリと反応させることにより、石けんが出来上がります。
鹸化法とは
油脂にアルカリを加えてケン化することによって石けんをつくり、食塩水で塩析して石けんを取り出します。
中和法とは
油脂を脂肪酸とグリセリンに分解した後、得られた脂肪酸にアルカリを加えて(中和)石けんをつくります。
鹸化法のメリット
鹸化法は動物の油と木灰から石鹸が生まれた約5000年前から使われている昔ながらの製法です。自然界にそのままあるものだけで作る「純石けん」も鹸化法で作ることが出来ます。鹸化法で使われる油脂にはグリセリンが含まれている為に、しっとりした保湿感を得ることができるのが特徴です。
ただ、油脂に含まれる不純物やアルカリと反応しきれなかった脂肪酸を取り除く作業をしないと、肌への刺激となる成分が多く含まれてしまうことにもなります(刺激物の有無は素材の良し悪しにも大きく左右されます)。
中和法のメリット
中和法は近年見つけられた製法で、油脂から脂肪酸だけを取り出すところから始まります。その為、最初から刺激になり得る不純物が無い状態でスタートできるのがメリットです。また刺激の強い脂肪酸を除外して鹸化させることができ、その配合量も調整しやすい為に、肌への刺激の原因となる遊離アルカリが存在せず、安全な石鹸を安定して作り出すことが出来ます。
ただ、素材にグリセリンを含んでいない為に、洗いあがりの保湿感は少なくなります。
その他の製法について
また、そのほかにも大きな窯にすべての材料を混ぜ入れ、かき混ぜた後、不純物を覗くために塩を加え加熱しながら作る「釜炊き塩析法」や、すべての材料を混ぜ型に流し込んど後に型から取り出し熟成させる「コールドプロセス製法」などもあります。
出典 COCOON「石けんはどうやって作られているの?〜石鹸の製造法について〜」: https://cocoon-soap.com/readpost/00013/
製造工程について
①分解・蒸留
ヤシ油やバーム油を脂肪酸とグリセリンに分解。この脂肪酸を蒸留して純度を高めます。
②連続中和
脂肪酸に水酸化ナトリウムを加えて中和すると、粘土の高い石鹸生地が出来上がります。
③乾燥・配合
石鹸生地をリボン状にして乾燥。これに香料や色素を加えます。
④混錬・押し出し・切断・型打ち
ロールで押しつぶしてよく練り、長い棒のようにして押し出します。
⑤包装
機械で紙に包みます。
オリジナル石鹸OEMメーカーの選び方
石鹸は使う原料を自分でカスタマイズして作ることができるのが醍醐味です。
ご当地石鹸を作ってもよし、肌に優しい石鹸を作ってもよしなどで様々なバリエーションがあなたの頭の中に生まれるでしょう。ただOEMメーカーはすべてのタイプに適応できるわけではありません。それぞれの会社に得意・不得意があります。
また先ほど、鹸化法と中和法についてもご紹介したとおり、製法にこだわりを持っているメーカーも多く存在しています。自社で作りたい石鹸はどのようなものなのか明確にし、使いたい原料が頼みたいOEMメーカーで取り扱っているのかなど、問い合わせの段階で確認しておくことをおススメします。
まとめ
いかがでしたか?本記事では、石鹸の概要と成分の種類、特徴、製造やOEMメーカ選びのポイントを解説しました。この記事を参考に是非自分の作りたい石鹸を検討してみてください。