化粧品OEM市場 全体の売上額はどれぐらい?

化粧品OEM市場の売上

 

製造ノウハウを提供してもらうことで初期費用を抑えて化粧品業界に参入できる化粧品OEM。

近年注目が高まっていますが、その市場規模や売上額はどのように推移しているのでしょうか。

 

売上は年々増加傾向にあるも、2020年度は減少

矢野経済研究所の調査によると、2020年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)を、前年度比6.3%減の3140億円と推計しています。

※2021年4~6月にかけて、化粧品受託製造・容器・原料参入企業、化粧品メーカーその他関連企業・関連団体を対象に、国内の化粧品受託製造市場を調査したもの。

出典:週刊粧業オンライン

 

これまで2016年度は2631億円、2017年度は2900億円、2018年度は3250億円、2019年度は3352億円と近年右肩上がりの上昇を続けていましたが、2020年度の国内化粧品OEM市場規模は、久々に大きく前年度を割り込む予想になりました。

2019年度までの市場拡大の要因として、改正薬事法施行による国内化粧品OEM市場の活性化、インバウンド消費(訪日外国人客が日本国内でする消費)による日本製化粧品消費の増加、海外現地消費者向けの日本製化粧品販売ビジネスの需要拡大などが挙げられます。

しかし2020年2月頃から続く新型コロナウイルス感染症による国内経済と消費の大幅な落ち込みとインバウンド需要の消失により、国内外での化粧品需要は大きく落ち込みをみせました。それに伴って化粧品OEM市場も一転、減少トレンドに転じています。

 

各社の対応

では、このような状況の中で各社はどのような対応を考えているのでしょうか。TPCビブリオテックの「2021年化粧品OEM企業の事業戦略調査」では下記のような調査結果を発表しています。

“引き続きコロナ禍の影響が懸念されるなか、主要各社は、マスク着用によるニキビ“マスクネ”のケアや落ちにくいメイクアップ、D2C・パーソナライズ化粧品など“ニューノーマル”に対応した新アイテムの開発や、注力カテゴリーの拡充、海外展開の加速などによって売上規模の拡大を目指していく方針である。”

出典:2021年 化粧品OEM企業の事業戦略調査

 

新アイテムの開発に関する具体的な例として、日本コルマーは在宅時間の増加に伴ってニーズが拡大しているおうち美容向けのアイテムとして、カラートリートメントの提案を強化しています。また日本色材工業研究所は落ちにくさに加えて、付け心地も訴求したメイクアップの開発を推進しています。さらにケミコスクリエイションズはアイライナーにパールを配合することで、アフターコロナを見据えた、マスク着用とパールライナーが融合した市場の創出に取り組んでいます。

他にも商品ラインナップの充実を図るため、アサヌマコーポレーションは主軸のメイクアップに加え、2020年を「スキンケア元年」と位置付けてスキンケア商品の提案力を強化していく方針を打ち出しています。このほか主要各社の海外展開について、トキワやシーエスラボなどは、中国での事業を積極化する意向を示しています。また、既に中国に事業基盤を有している日本コルマーは、「チャイナ+1」戦略としてASEAN諸国への展開を強化して、日・欧米系企業のほか、将来的には現地企業からの受注獲得も目指す考えです。

 

化粧品OEM業界の動向

上記のような状況のなか、化粧品OEM業界を取り巻く環境は下記の通りです。

 

海外需要の高まり

新型コロナウイルスの影響で訪日外国人客は減少しましたが、それ以前は訪日外国人が増加傾向にありました。日本製の高品質な化粧品は海外からニーズがあり、インバウンド需要が大きいです。またインターネット販売を通して日本で化粧品を購入した外国人にリピート購入してもらうことによって、海外での販路の拡大が期待されています。

特に中国や台湾などアジアの国々では日本の化粧品の人気が高く、市場が伸びています。

 

大手化粧品会社もOEMが主流

近年では、大手の化粧品会社でも製造は外部に委託することが主流となってきています。顧客の年齢層に合わせた様々なニーズや流行に対応しようとすると、一つの工場だけでは難しいのが現実です。そのためコストと技術の両面のメリットから、近年では化粧品製造におけるOEM会社への委託率は増加しています。今後も企業規模の大小に関わらず、その傾向が続くと予想されます。

 

製造だけではない ODMが主流

近年の化粧品OEM業界では、従来の化粧品の製造のみ行うというやり方ではなく、ODM(企画から委託する製造システム)に近いスタイルが主流になりつつあります。商品の製造はもちろん企画から研究開発やパッケージデザイン、マーケティングや顧客の獲得まで一括で委託できるため、ゼロから立ち上げる会社にとっては利便性が高く、専門的なアドバイスを受けながら商品開発をすすめることができます。

 

OEM企業に委託できることの一例

  • 商品の企画
  • 研究や開発
  • 商品製造
  • パッケージデザイン
  • 市場のマーケティング
  • 販売方法

 

これら全てを自社で行う、又は別々の企業に委託すると膨大な時間とコストがかかります。それに対して全てを一括で委託することで、少ない手間と低いコストで商品開発・製造を行うことが可能です。

 

他業種からの参入

異業種からの新規参入も目立っています。特に乳酸菌飲料メーカーやフィルムメーカーなど、大手企業が長年本業で培ってきた研究力・技術力を生かして化粧品開発を始めることが増えてきました。そのような大企業はすでにネームバリューがあるため、消費者からの注目度や信頼感が高いこともポイントです。

近年は健康志向やアンチエイジグなどに関心が高い消費者が多いため、そのような傾向が異業種にとっては追い風になっていると考えられます。

 

化粧品OEM業界の課題

新型コロナウイルスの影響を受けるも、近年好調に売上げを伸ばしている化粧品OEM業界。業界にはどんな課題があるのでしょうか。

 

人手不足

どの業界にもいえることですが、化粧品OEM業界でも人手不足が深刻化しています。少子高齢化による更なる事態の悪化に向けて、国内では生産工程を自動化したり、管理システムを導入したり、AI・ロボットの導入などを検討したりしています。また海外拠点や周辺の関連事業者を積極的に活用することで長期的な解決策を模索している企業が多いようです。

 

他企業との差別化

化粧品OEM業界では今後他業種からの参入や越境ECに対する規制強化が懸念され、市場はますます競争が激化していくと予想されます。このような市場環境のなか、中小企業は大手企業ではあまり対応していない多品種・小ロット製造を行うことで中小の化粧品会社からの受注を獲得しようとしています。また、特許取得による独自商品やニッチな商品の提案、化粧品業界への新規参入のサポートなどの取り組みにより、大手企業との差別化を図る会社もあります。

 

インバウンド需要への対応

インバウンド需要においては2020年のコロナ禍で一時期停滞しましたが、状況の回復に応じて市場の再活性が期待されています。今後は海外市場に特化したOEMも増加すると見られ、ビジネスチャンスを見逃さないよう、さらに慎重なマーケティング戦略が必要です。

 

IT技術の普及

インターネットの普及により、消費者からの情報発信が販売数に大きく影響するようになりました。また店頭販売だけでなくインターネット販売など販売方法が多様化することにより、マーケティングが複雑化かつ高度化する傾向にあります。

また管理体制もIT技術を元に見直すべき時期にあり、ここでも製造工程の抜本的な見直しが叫ばれています。

 

化粧品OEM市場の将来性

2020年度の化粧品OEM市場は3140億円と推計されており、久々に大きく前年度を割り込む予想になりました。

その理由として2020年2月頃から続く新型コロナウイルス感染症による国内経済と消費の大幅な落ち込みとインバウンド需要の消失により、国内外での化粧品需要が大きく落ち込んだことが考えられます。

そのため各社はウィズコロナ、アフターコロナに向けた対応を迫られています。

一方コロナ以前の市場は好調な成長を見せており、市場の成長はこの先も続くと考えられます。その理由として、改正薬事法施行による更なる国内化粧品OEM市場の活性化や、インバウンド消費による日本製化粧品消費の増加、海外現地消費者向けの日本製化粧品販売ビジネスの需要拡大などが挙げられます。

海外需要の高まりや新規参入企業による受託の増加により、化粧品OEM市場はさらなる市場の伸びが期待できそうです。

 

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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