化粧品OEMの最小ロットはどれくらい?
化粧品OEMを初めて検討しており、在庫を抱えるリスクのことを考えると、最初は最小ロットで依頼したい。
でも最小ロットって、どれくらいだろう?
最小ロットのメリット、デメリットはあるの?と気になっている方が多くいると思います。
また、最小ロットで依頼した際の全体的なプロセスも気になりますよね。
そこで本記事では、化粧品OEMの最小ロット数や全体的なプロセスなどについて説明していきます。
最小ロットとは
最小ロットとは、化粧品OEMメーカーが製造できる最小のロット数のことです。
それぞれの化粧品OEMメーカーや化粧品の種類によって、対応できる最小ロット数が異なります。
化粧品OEMで最小ロット発注できる仕組み
OEM会社によって最小ロットで発注できる会社と、できない会社があります。
なぜできる会社、できない会社があるかというと、最小ロットで商品を作ることは、会社が製造過程や資材の仕入れの工夫、無駄を減らすなど、自社の利益を削ることによって成り立っています。
一度に作る商品の個数が少ないということは、製造ラインの組み立てや洗浄する頻度が増えるということです。
それによって採算がとれなくなり、商品1つあたりにその分上乗せされ、原価が高くなります。多くのOEM会社は大きなロットでの発注を引き受け、リピートで作ることで経営が成り立っているのです。
結果として、大きいロット数を生産するほうが利益率も高く効率的なため、OEM会社は多くのロットでの依頼を歓迎します。
しかし、はじめてオリジナル化粧品をつくる企業にとっては、ブランド力や知名度も低く在庫を抱えるリスクなどがあるため、最初は少ない数で作りたいという要望があります。
そのような企業に会社の強みを活かし、経営努力によって受け入れてくれるOEM会社も存在します。
最小ロットでの発注を希望するのであれば、最小ロット生産が得意なOEM会社を探して依頼しましょう。
最小ロットの数
製造する化粧品の種類や、容器のロットの兼ね合いもあり、最小ロットは3,000個からというメーカーが多いです。
しかし製品や条件次第では、100個からの最小ロット生産が可能な場合もあります。
製品別最小ロットの目安
参考のために製品別の最小ロットの目安を紹介します。
- 固形石鹸:100個〜
- 液体石鹸:500個〜
- 化粧水・美容液:500個〜
- 乳液・クリーム:500個〜
- クレンジング・洗顔料:500個〜
- リップ・バーム:500個〜
- シートパック:3000枚〜
- シャンプー・リンス・トリートメント:1000本〜
- メイクアップ・口紅等:3000個〜
- ネイル:100本〜
- 歯磨き粉・マウスウォッシュ:3000本〜
- エアゾール(スプレー缶):3000本〜
- 入浴剤:1000個〜
- 香水:300個〜
- 医薬部外品:3000個〜
最小ロットの価格
最小ロットの価格に関してはピンキリです。化粧品は種類が多く範囲が広いため、固形石鹸から、スキンケア、メイク、ボディケア、ヘアケア、歯磨き粉などありとあらゆるものが化粧品として分類されています。
また、化粧品の成分や容器デザイン、化粧品の価格帯などにもよって変わってきます。
そのため一概に言えませんが、だいたい30-300万円ぐらいを想定しておくのが良いかと思います。価格はOEM会社によって違うため、直接聞いてみることをおすすめします。
最小ロットのメリット
最小ロットで作るメリットを3つ紹介します。
1つ目のメリットは、トータルでかかる費用を抑えることができます。多くのロット数で製造した方が商品1つあたりの単価を抑えることができますが、その分最初に支払う総額が多くなります。製造したオリジナル商品がうまく軌道に乗るまでは、利益率が落ちたとしてもトータル費用を抑える方が、リスクを減らすことができます。
2つ目のメリットは、在庫を抱えるリスクがないことです。在庫は保有しているだけで、倉庫などの費用がかかってきてしまいます。
つまり売れない在庫を抱えている期間も、費用が発生するということです。売れなかったときのことを考え、最小限の量を注文すること、在庫リスクのことを頭に入れておくのは非常に大切なことです。
3つ目のメリットは、テストマーケティングができることです。商品の追加発注をすることが可能なので、まずは小ロットで作り、顧客の反応をみて、売れる見込みがあるなら追加で発注するのがいいと思います。
商品が実際に売れるかどうかは、やってみないとわかりません。発売後に改良を重ねて、商品を育てていき、納得のいくオリジナル商品を作ることができます。
最小ロットのデメリット
最小ロットで作るデメリットを2つ紹介します。
1つ目のデメリットは、商品1個の価格が高くなることです。OEM会社では化粧品の原料などの変動費だけでなく、工場の保守運営や衛生管理などの固定費が原価として発生しています。最小ロットにするとその分が上乗せされ、原価が上がり高くなります。
ですがそれは仕方がないことなので、他で原価をさげるなどの工夫をしたり、最小ロット生産を得意とするOEM会社に依頼するのもいいでしょう。
2つ目のデメリットは、OEM会社と資材の選択肢が狭くなることです。基本的にロット数が大きい方が利益率も高く、効率的なためOEM会社は大きなロットを好みます。
そのため、最小ロットの対応をしているOEM会社は限られてしまい、作ってもらえるOEM会社の選択肢は狭くなります。
また、OEM会社は自分たちで容器やシールを作っているわけではありません。他の会社に依頼をすることが多く、だいたい3000個から対応しているところが多いです。
そのため、最小ロットの場合はすでに工場にあるもので活用しますが、そうなるとオリジナル性やデザイン性がなくなってしまいます。
しかし、OEM会社によっては最小ロット生産に向けて、資材を選択できるように展開しているところや、資材を依頼先が全て用意する完全支給の対応をしているところもあるので、オリジナル性に欠けることなく商品の制作が可能です。
化粧品OEMの最小ロット発注のプロセス
全体のスケジュール感をつかむために、最小ロット発注の製造プロセスを紹介します。最小ロットであっても、ロット数の大きな発注と依頼の流れは変わりません。
1. 打合せ
どういった化粧品を作りたいか、予算、生産個数、希望納期を打合せします。
2. 試作品の製造
打合せを元に要望・コンセプトに沿った試作品の製造。
さらにテストしながら改良しイメージに近付けていきます。
3. 製品仕様の検討
容器の形状や箱の有無など、どのような包装形態にするのかを考えます。
4. 製品処方の決定
化粧品の処方と製品仕様が決まったら、見積もりの作成をします。
5. 契約
契約書を締結し、発注書をいただきます。
希望納期に合わせて原料の手配、調整を行います。
6. 資材手配
確定した容器の安全性試験や、資材の表示内容に関して各種法律に照らし合わせ、薬事校正を行います。
7. 製造・生産
実際に商品を製造していきます。
8. 納品
完成した商品が届きます。
オリジナル商品の企画から納品されるまでだいたい6ヶ月かかります。企画や開発に3ヶ月、製造に3ヶ月かかると考えると、1つのオリジナル商品を開発するにあたり、約半年ほどかかります。
見積もり決定後も原料の調達や、処方、容器の安定性の試験などさまざまな準備が必要になってきます。作る数の少ない最小ロットだからといって、早く作れるというわけではありません。
全てがスムーズに進むとは限りませんので、トラブルや予想外のできごとに備えて余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。最小ロットに対応しているさまざまなOEM会社があるので、適切な発注個数を設定した上で、OEM会社に相談しましょう。
まとめ
本記事では化粧品OEMを初めて検討している方に向けて、最小ロット発注の説明やプロセス、メリットやデメリットなどについてご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしていただきながら、素敵なオリジナル化粧品を作ってくださいね。
また、化粧品や健康食品でお困りごとがある方は、是非Bentenで悩み事を記載してみてください。専門家や専門業者の方から返答がくるかもしれません