化粧品OEMについて理解したから、早速自社のオリジナル化粧品を依頼しようと思ったものの、どうしていいかわからない~、なんて人も多いのではないでしょうか。
今回は実際に依頼してみたいと考えている方向けに、化粧品OEMメーカー選びのポイントと化粧品・医薬部外品が商品化されるまでの流れを紹介していきたいと思います。
化粧品OEMメーカーの依頼の流れ
化粧品OEMメーカーへの依頼の流れは以下のようになります。
- 化粧品OEM会社選び・お打ち合わせ
- 試作品を開発する
- 製品の仕様を検討する
- 製品仕様・処方決定
- 契約・発注
- 資材の準備
- 製造・生産
- 納品
①化粧品oem会社選び・打ち合わせ
自社で作りたい化粧品のコンセプトを決めたら、その化粧品に合うoem会社を探し、問い合わせをしてみましょう。その後、実際に問い合わせをしたoem会社が、要望に合わせて製品イメージ、生産個数、予算、納期の提案をしてくれます。
②試作品を開発する
その後商品イメージを打ち合わせし、要望・コンセプトに沿った化粧品を試作してもらいます。試作品に改良を加えながら、ターゲットのお客様にご満足いただける化粧品を目指します。
③製品の仕様を検討する
販売の流通によって製品形態はことなります。容器の形状や化粧品箱の有無などを伝え、それに最適な形を提案してもらいます。納得できるまで、容器や中身の相性、吐出量などを確認し打ち合わせを重ねていきます。
④製品仕様・処方決定
製品仕様や化粧品の処方などが確定後、見積もりを作成していただきます。
⑤契約・発注
見積もりに問題がなければ、契約書を締結。発注書を送ります。希望納期に合わせて原料の手配、生産・納品予定の調整を行います。また、薬機法に基づき、申請等の届け出業務も代行してくれます。
⑥資材の準備
確定容器での安全試験や、各資材の表示内容について各種法律に照らし合わせ、薬事構成をします。
⑦製造・生産
製品の製造、生産をします。 ご要望すれば工場での生産に立ち会うこともできます。
⑧納品
完成した商品をお客様のもとへ届きます。
化粧品OEMメーカー選びのポイントは?
化粧品OEMの仕組みは理解したけれど、実際にどこに頼めばよいのかわからない、どのメーカーが自分の会社にあっているかわからない、という方も多いのではないでしょうか。続いては化粧品OEMを選ぶ際のポイントを解説します。
化粧品に様々な種類があるように、化粧品OEMメーカーもさまざまな種類に分かれています。
【例】 基礎化粧品(スキンケア)に強いメーカー /ヘアケアに強いメーカー/メイク品に強いメーカー/石鹸メーカー/オーガニックコスメに強いメーカー
上記のように化粧品OEMメーカーにもそれぞれに得意、不得意分野があります。まず化粧品のOEMメーカーを選ぶ上で抑えておきたいのが、作りたい化粧品が作成可能な業者かどうかというところです。化粧品の受託製造をする企業は非常に数多くあり、各社のホームページだけでは自分たちが作りたい化粧品を作る生産能力があるのか判断しにくいのが実際です。
まず、ホームページなどで情報収集をしたのち、選定候補になる受託製造メーカーを選んだら、問い合わせの際に詳しく作りたい化粧品の内訳について詳しく伝えておきましょう。問い合わせの際に具体的な内容を提示しておくことでOEM会社がその条件を満たすことができるかどうか、判断することができます。
次の選定のポイントとしては、化粧品の受胎区製造のロットや仕様の相談になってもらえるかというところです。発注するロットや仕様によって、委託側の事業リスクを低減させることもできます。
初めて化粧品の受託製造を依頼する場合、化粧品製造におけるノウハウを積極的に共有してくれる企業を選ぶとよいでしょう。またホームページなどでどういった企業理念があるのかも確認し、自社とメーカーの方向性がマッチングしているかどうかを確認しておくと判断を誤らずに進めることができます。
化粧品の製造工程について
OEMメーカー選びのポイントは抑えることができたかと思います。次に実際に依頼した際にどのように製造がおこなわれているのか理解することが必要になってきます。
OEM会社は委託者が製品の設計や開発、組立図に至るまで準備しなければならないため、製造について理解することは必要不可欠となります。ただOEMに任せておけばよいという考えでは務まらないというわけです。また、具体的にその製品が工場でどのように製造されているかを理解しておくことはクオリティの高い製品づくりを目指すうえで非常に重要な部分となってきます。
このパートでは、化粧品の一般的な製造工程についてわかりやすく解説していきます。
化粧品製造の流れ
- 製品化決定・薬事申請
- 充填テスト
- 製造ライン(スケジュール)の確保
- 資材の検査
- 設備の選定・人の配置
- 原料の手配・軽量
- バルク製造
- 充填
- 品質管理
- 包装・出荷
①製品化決定・薬事申請
OEM工場との製品化が決定後、製品を流通させるための販売名の登録が必要になります。こちらも専門的な内容の登録作業になるため、OEM工場の方で対応してもらうことができます。
②充填テスト
工場側に容器のサンプルをいくつか送り、容器にバルクを充填し、漏れがないか、ポンプ式であればちゃんと抽出できるかなどのテストを行ってもらいます。また、化粧箱や資材についても、一品当たりどのくらいの製造時間を保有するのかなどの計算もします。
③製造ライン(スケジュール)の確保
正式に発注が完了したら、資材の納品日をOEM工場に知らせ、ラインの確保をします。OEM工場のラインは、時期より込むこともあるので、早めにラインを抑えておくことが重要になります。 また、資材については2週間前には納品するのが一般的となります。
④資材の検査
容器、化粧品などの資材を納品後、抜き取り検査が行われます。資材に汚れがないか、形状や容量の問題がないかなどのチェック後、問題がなければ認定されます。 基本的には資材のトラブルを避けるため、国内製造されたもののみを受け入れる工場がほとんどになります。
⑤設備の準備・人の配置
製品の仕様や数量を踏まえて、どのぐらいの人手が必要で、製造にどのくらいかかるのか、どういう設備を使うのかをOEM工場が決めます。
⑥原料の手配・軽量
この段階でようやく製造をスタートさせます。 OEM工場の在庫を確認し、製品に配合されている成分が足らない場合は別途手配しておきます。その場合は自社で原料を購入し、工場で保管してもらうケースが大半となります。その後製造の際も容量に合わせて原料を軽量し、軽量した原料を決まった順番に設備に入れていきます。
⑦バルク製造
原料を混ぜて溶かし、バルク(化粧品の中身)を作成します。混ぜる時間やスピードは製品によって異なります。十分に混ぜなければ原料がうまく溶けず入荷が進みません。また、混ぜすぎても濁ったり粘土が必要以上に高くなったりなどの不良が出るためこの工程の調整は非常に重要となります。
⑧充填
バルク製造が終わったら、先ほどにもあった粘土や入荷などの問題がないかをチェックします。問題なく製品が仕上がったと判断されたら、充填作業に移ります。充填や化粧品箱設置、ラベル張りなど、すべての工程を手動で行います。 その後ロット番号をうち、あれば組み立てられた化粧品箱に入れて、製品によってはシュリンク(透明のフィルム)をかけます。 この工程は、製品の仕様によって大きくことなるため、見積金額にも影響していきます。
⑨品質管理
受入検査や充填作業の際にも品質チェックを行いますが、製造が終わってからも不良品がないかを改めてチェックします。キャップを占めるトルクが強すぎたり、容器に割れが発生していたなどの化粧品業界の様々な事例があるので、それらに基づき異常がないかを確認していくことが重要となります。
⑩包装・出荷
以上が済んだら、完了となります。輸送箱に入れたら出荷になります。OEM工場からお客様に出荷の連絡が届きます。納品日を確定させてから、工場から製品を出荷します。 ちなみに郵送箱もで指定することができます。
まとめ
化粧品は人の肌に使うものであるため、粗悪品を使用してしまうと最悪の場合、人の健康のも影響が出てしまう可能性もあります。容器や資材ばかりを重視して中身を怠ってしまっては元も子もありません。そのため信頼できるOEM工場に依頼することが非常に重要になります。 処方を決定するまでの段階は焦らず慎重に納得がいくものが出来上がるまで開発していくことをお勧めします。
自社ブランド化粧品を開発したいという方はおそらく自身の中にこだわりや理想をしっかりと持っている方が多くいるのではないかと思います。ただそのこだわりがすべて実現できるかというとそうではないときが必ずあります。そのため自身の予算内で、世の中にある選択肢の中から、いかにより良いものができるかということを常に考えられる思考を持つことが非常に重要だといえます。
いかがでしたでしょうか。今回は化粧品OEMメーカーの依頼の流れと製造工程についてご紹介いたしましました。この記事を参考に是非自分に合ったOEMメーカーを見つけてみてください!