化粧品OEMに関する知識 ファンデーションのパフはどうする?
パフはファンデーションやルースパウダーなど、ベースメイクなどを行う際に使用する塗布具ですが、実は様々な種類や使い方、材質があることをご存知でしょうか。
今回はベースメイクに必要不可欠なパフについてご説明したいと思います。
パフとは
パフとはそもそもどんなものを指すのでしょうか。
パフとは別名パウダーパフとも呼ばれ、主にパウダーファンデーションやルースパウダーなどのベースメイクアップ化粧品の塗布に用いる化粧用塗布具の1つであり、スポンジ状の形態のもの(スポンジパフ)と、表面が起毛した生地などを縫い合わせた形態のもの(縫製パフ)があります。
また、近年ではリキッドファンデーションやクリームファンデーションなどの液状のベースメイクアップ化粧品に用いる、シリコン素材でできたもの(シリコンパフ)も登場しています。
スポンジパフ
スポンジパフの素材は主に合成ゴムや天然ゴム、発泡ポリウレタンなどの高分子化合物から作られており、細かな空隙をもつスポンジ状の構造をしています。一般的に使用されている材質は「NBR(ニトリルブタジエチレンラバー)」と呼ばれる合成ゴムで、耐久性に優れ、スポンジの硬さや肌あたりの軟らかさなどを調整しやすい特徴を持ちます。
また、パフにファンデーションを取る方法は、ファンデーションのタイプによって異なります。
パウダータイプであれば、パフを軽くファンデーション表面に押しあて、滑らせるようにしてパフ片面の半分程度のスペースにファンデーションが付着する様に擦り取ります。
液状タイプであれば、適量を直接パフに付けることが多く、指などであらかじめ肌に直接付けることもあります。
ファンデーションをパフに取った後は、そのまま肌の上にパフを滑らせる様にして肌に塗り広げていくことが多く、目元や小鼻周りなど細かい部分はパフの角を使いながら軽く押しあてるように塗布する方法も効果的です。
スポンジパフの開発技術は年々向上してきており、近年では高密度の発砲素材「湿式ウレタン」を使用したスポンジパフが開発されています。従来のスポンジパフと比べ、より滑らかさや肌触りなど使い心地の良さが向上しており、適度にリキッドファンデーションが染み込むためムラなく綺麗に伸ばせると人気を博しています。
縫製パフ
縫製パフは、パフの中芯に軟らかいポリウレタンなどのクッションが入っており、パフ表面の部分には綿やナイロン、ポリエステル、ポリエステルとナイロンの混紡、アクリルなどの繊維を起毛させたものが縫い合わせることで作られています。
主にルースパウダーやプレストパウダーなどの粉体化粧品に使用することが一般的であり、起毛繊維の材質や毛足の長さによりパウダーの取れ具合や使用感が異なってきており、繊維の毛足が長いほど多くのパウダーを取ることが出来ます。
起毛繊維の素材にもそれぞれ特徴があり、下記で簡単にご説明したいと思います。
- 綿:素材の中では最も安価で素朴な肌触りで扱いやすい素材ですが、毛足の長さに限界があります。
- ナイロン:パイル部分が柔らかく、肌触りが良い素材ですが、綿と同じく毛の長さに限界があります。
- ポリエステル:弾力性がある素材のためパイル部分が立ち、毛足を比較的長くすることができることからパウダーを多く取ることができます。
- 混紡素材:ナイロンとポリエステルを半々で混ぜて作られた素材であり、高級感のある肌触りで、多くのパウダーを取ることができます。
- アクリル:ポリエステルよりも弾力性があり、毛足をさらに長くすることができます。一度に最も多くのパウダーを取ることが可能なのでボディ用のパフに用いられることが多いです。
これら縫製パフを使用するときは、表面の起毛した部分を軽く押しつけるようにしてパウダーを取る様にします。また、取るパウダーが多過ぎてしまうこともあるため、パフ片面の約半分程度のスペースにパウダーがつくぐらいを目安にすると良いでしょう。
塗布する際は、パフを両手でもみ混み、パウダーをパフ片面全体によく行き渡らせた後、手の甲や手のひらなどに軽く押しあて余分なパウダーを落とし、パフを直接肌に軽く押しあてるようにして使用しましょう。
目元や小鼻など細かい部分は、パウダーのついた面を外側に、二つ折りにして持ち、軽く押しあてるようにすると塗布しやすくなります。
シリコンパフ
リキッドファンデーションやクリームファンデーションなどの液状ファンデーション用のパフに、シリコンパフがあります。
シリコンパフはその名の通り透明な「シリコン」から作られたメイク用パフのことであり、柔らかい素材なので肌に優しくフィットさせながらリキッドファンデーションを塗布することができます。
また、スポンジパフの様に液体を吸収しないため、リキッドファンデーションなどの液状のベースメイクメイクアップ化粧品を無駄なく使うことができます。
さらに、水でサッと洗い流せるため、経済的かつ衛生的、そしてその透明な見た目から発売当初は話題となったアイテムです。
主な使用方法としては、シリコンパフにリキッドファンデーションを適量乗せ、顔の内側から外側へ向けて円を描く様に顔全体に馴染ませます。この時に、目元や小鼻周りなど細かい部分は、パッティングしながら塗布すると綺麗に馴染ませることができます。
スポンジパフの様に液体を吸わないため、薄付きで素肌っぽい仕上がりになるため、ナチュラルメイクにピッタリなものになっています。
パフの選び方と化粧品OEMの活用
パフの種類や材質、使い方などについてご説明させていただきました。
続いてはパフをどの様に選べば良いか、などについてご説明したいと思います。
パフの選び方
パフを選ぶ際は、そのメイクアップ化粧品とパフとの相性を考えながら選定する必要があります。
例えば、検討しているメイクアップ化粧品が液状ファンデーションだった場合、縫製パフなどは液体を余分に吸い過ぎてしまう恐れがあり、上手にメイクすることが難しくなってしまいます。
また、パウダーファンデーションとスポンジパフの組み合わせであったとしても、バルクの取れ具合や肌への伸び具合など、その組み合わせが最適かを確認しながら選定を進める必要があります。
検討しているメイクアップ化粧品をそのパフで使った際の使用感や仕上がりを確認しながら、その商品にぴったりなパフを選んで行きましょう。
また、パフを選ぶ際は、どの様な種類や質感、材質のものがあるか、予め知っておくことも重要になってきます。
下記に代表的なパフの選定方法についてご説明したいと思います。
パフメーカーと直接やりとりをすることにより、より具体的な商品イメージや消費者が感じる使用感を確認することができます。また、パフメーカーの情報をいくつか持っておくことにより、費用感の比較やリードタイムの比較もすることができるでしょう。
さらに、パフメーカーはドラッグストアなどで自社商品を販売しているメーカーもあるため、実際に使って見た上で商談を行うこともできます。
既にパフメーカーと取引をしている化粧品OEMも少なくありません。この場合は選択の幅は若干減る可能性があるものの、バルクの中身との相性や、パフが入る化粧品容器の選定も同時に行ってもらえるため、スムーズな商品開発を行えるというメリットがあります。
パフメーカーが提案するパフは量産型のものがほとんどとなりますが、もし気に入ったデザインや質感のものが見つからなかった場合はオリジナルパフを依頼することも可能です。
しかし、商品自体のデザイン性や質感を兼ね備えたオリジナルパフを作ることで、他社との差別化を図ることができる一方、製造コストが高くなるというデメリットも意識しなければなりません。
まとめ
今回の記事ではベースメイクアップ化粧品で使用するパフの種類や材質、選び方などについてご説明させて頂きました。
メイクをする際に直接肌に触れるものなので、質感や使用感にもこだわって検討を進めたいですね。
もし現在パフの選定に悩んでらっしゃる方がいらっしゃいましたら、この記事もぜひ参考にしてみてくださいね。