理想的なオリジナル化粧品の開発において、意識しなければならないのがコスト面についてです。 いくらクオリティやデザイン性が高い商品が出来上がり、売上が良かったとしても、コストが高いとビジネスとして成り立たない上に、次の商品展開も難しくなってきます。 今回の記事では相見積もりの重要性やポイント、化粧品開発においての相見積もりのポイントなどについて解説していきたいと思います。
あいみつ(相見積もり)の重要性
何らかのビジネスを行う上で「相見積もり」は必ず行わなければなりません。 しかしながら、相見積もりにも正しい方法や押さえておくべきポイントがあります。 ここでは、相見積もりの基本的な考え方について簡単にご説明したいと思います。
相見積もりとは
相見積もりとは、発注依頼を行う前に、複数の会社から見積もりをもらい、費用や内容を比べた上でどの会社に発注するかを決めることを意味します。 何らかの商品やサービスを購入する場合、自分にとってより有利な条件の会社を選択するために行われます。 単純に価格が一番安い会社を選ぶというものではなく、商品やサービスの内容に見合った価格であるか、求めているクオリティが得られるかどうかなども踏まえて慎重に行う必要があります。
オリジナル化粧品の開発においても、価格面、サービス面、クオリティ面など総合的に見合った内容の会社を選ぶために、相見積もりの実施は非常に重要なステップと言えるでしょう。
相見積もりを取る際の重要ポイント
相見積もりを行う際は、単に思い付きであれこれ相見積もりを行うのではなく、気をつけなければならないポイントがあります。 ここでは特に押さえておいた方が良いポイントをご説明したいと思います。
- 相見積もりは2社以上、多くても4社程度まで。
相見積もりを行う上で少なくとも2社で見積もりを取り、比較を行いましょう。 選択肢が増えればその分条件を比較することができますが、多すぎるとそれぞれの条件の確認に時間を要してしまうため、多くても4社程度にとどめておきましょう。 - 選ぶ際のポイントを把握し、譲れない条件の確認を行う。
相見積もりを行う際は、自分がどの様な商品やサービスを求めているか、どの部分が譲れないかを予め確認し、決定した上で相見積もりを行う様にしましょう。 求めているものが不確定なままだと、出てくる見積もり内容や商品のクオリティに差が出てしまい、購入に至るまで時間を要してしまう恐れがあります。 - 全ての業者に同じ条件の下で見積もりを出してもらう。
相見積もりを行う際は、数量や剤型、仕様など可能な限り同じ条件で見積もりを出してもらう様にしましょう。 - 可能な限り実際に打ち合わせを行った上で見積もりを依頼する。
見積もりを依頼する前に、予め打ち合わせを行って求めている商品やサービスを具体的に伝えるのも重要なポイントの1つです。簡単な書面だけで見積もりを依頼し、思った商品やサービスでなかった場合、購入に至るまでに時間がかかってしまったり、購入見送りになる恐れもあります。
求めているものを具体的に業者へ伝えた上で、見積もり依頼を行うようにしましょう。
相見積もりを行うメリット
相見積もりを行うということは、少なくとも2社以上にコンタクトを取らなければなりません。 若干手間に感じられるかもしれませんが、その分下記の様なメリットがあると考えられます。
- 相場が把握できる
もし依頼する商品やサービスについての相場感が分からない場合は、相見積もりを行うことによりその相場感を知ることができます。 - それぞれの業者の特徴を知ることができる
相見積もりを行う際は同じ条件で行う必要がありますが、条件を揃えて見積もりを依頼することで、細かいクオリティの違いや、リードタイムが短い、時間をかけて親身に相談に乗ってくれるなど、それぞれの業者の特徴を知ることができます。
化粧品OEMを利用する際の相見積もり
続いては化粧品OEMを利用してオリジナル化粧品の開発を行う時の相見積もりについてです。 基本的な考え方やポイントは上記と同様となりますが、オリジナル化粧品開発の流れを踏まえてご説明して行きたいと思います。
化粧品OEMを利用したオリジナル化粧品開発の流れ
まず最初に化粧品OEMを利用したオリジナル化粧品開発の流れについて簡単にご説明したいと思います。 化粧品OEMを利用してオリジナル化粧品を開発する主な流れは以下となります。
- 理想とする商品像やコンセプト、販売計画を立てる。
- 商品企画書を作成する。
- 化粧品OEMへコンタクトを取り、商談を実施。サンプル依頼を行う。
- 化粧品の容器を決定する。
- 処方決定を行う。
- 安定性試験を実施する。
- 製造を行う。
- 品質検査後、商品が納品される。
一連の流れを書くと、あまり時間がかからない様にも見えますが、試作サンプルの調整や安定性試験などを踏まえると、開発着手から納品まで大まかに約1年程度かかることがあります。
相見積もりのタイミング
化粧品OEMへの相見積もり
オリジナル化粧品開発における基本的な相見積もりのタイミングは 「3. 化粧品OEMへコンタクトを取り、商談を実施。サンプル依頼を行う。」になります。 化粧品OEMを1社だけに絞って綿密に開発を進めるのも良いですが、2社以上、多くても4社程度に相見積もりを実施しましょう。 この際に重要となってくるのが「2. 商品企画書を作成する。」に出てくる商品企画書となります。 商品企画書は化粧品OEMに、作りたいオリジナル化粧品の商品イメージやコンセプト、テクスチャなど商品に関する詳細を伝えるための書類となりますが、発売時期や発注数量、販売予定価格、想定予算などコスト面に紐付く情報も記載することができます。 作りたいオリジナル化粧品の詳細と共にコスト面についての情報も統一することにより、価格面、サービス面、クオリティ面など総合的に見合った商品を開発できる化粧品OEMを選定することができるでしょう。
商品企画書については他の記事でも詳しくご説明してますので、ぜひ参考にしてみてください。
資材メーカーへの相見積もり
化粧品OEM以外にも資材メーカーへ相見積もりを行うという選択肢もあります。 化粧品の容器や輸送箱などの資材メーカーについては、化粧品OEMに任せるケースも多いですが、化粧品OEMによってはこちらが指定する資材メーカーから資材を仕入れてくれる場合もあります。
資材についても相見積もりを行いたい場合は、化粧品OEMと商談する際に相談してみても良いかもしれません。
相見積もりを行う上での注意点
最後に、相見積もりを行う上での注意点についてご説明したいと思います。 複数社に相見積もりを行う上では、「同じ条件を提示する」「相見積もりを取ることを先方に伝える」「金額や納期に制限がある場合は相手に伝える」など、それぞれのメーカーの条件に不平等が無いよう配慮する必要があります。 また、最終的な返答期日についても予めお伝えした上で、必ず期日を守って返答を伝えるようにしましょう。
もしお断りすることになったとしても、今後お付き合いがあるかもしれないので、時間をかけて見積もりやサンプル検討をしてくれたことへ感謝の気持ちをしっかり伝えた上で、相手が不快にならないよう誠意を持った対応を心がけましょう。
まとめ
今回は相見積もりの重要性や化粧品OEMを利用する際の相見積もりについてご説明させていただきました。 相見積もりを行うことにより選択肢が増える一方で、どのOEMが良いか迷ってしまうことも多いと考えられます。 円滑に商品開発が行えるよう、商品企画書の作成など、十分に準備を行った上で商談を行うようにしましょう。
化粧品OEMを利用した商品開発や、相見積もりについてご検討の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。