「化粧品OEMって何?」「化粧品を作るのにOEMに委託する意味って?」このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、以下の内容を解説します。
- 化粧品OEMとは何か?
- 化粧品OEMに委託するメリットやデメリットは?
- 化粧品OEMを選ぶときのポイントは?
- 化粧品OEMの大手メーカー3選をご紹介
この記事を最後まで読んでいただければ、化粧品OEMの大手メーカーを選ぶポイントやおすすめの会社が分かりますので、ぜひ参考にしてください。
OEMとは
OEMとは、Original Equipment Manufacturing の略です。粧品OEMとは、化粧品における「マーケティング・販売・物流」を行うメーカーが、「開発・製造・品質管理」を行うOEMメーカーに製造を依頼することを指します。 化粧品受託製造ともいわれ、下記2つの許可を持っているので、化粧品メーカーの仕様に沿った化粧品製造が受託可能です。
- 化粧品製造許可:化粧品の製造を行える許可
- 化粧品製造販売許可:市場に対する責任を負って化粧品を日本国内の市場に流通させる業者に対しての許可
化粧品メーカーは、この2つの許可を持っていなくても、化粧品OEMに依頼することで、オリジナルの化粧品が作れるということになります。
化粧品OEMを利用するメリット
化粧品OEMを利用するメリットには以下の点が挙げられます。
小ロットでの販売が可能
1つめのメリットは、小ロットでの販売が可能という点です。 化粧品OEMは、小ロットの生産にも対応しています。小ロットの発注でコストを抑えることができ、また在庫を多く抱える心配がなくなるでしょう。 一方で、需要が伸びてくると生産量を柔軟に調節することも可能です。初めは小ロットでの発注を行い、商品の動向をみていくといいですね。
費用が安く済む
2つめのメリットは、費用が安く済むという点です。 商品を製造・生産するには、工場や設備、開発技術を持つ人材が必要になってきます。あらかじめ工場や労働力を持つ化粧品OEMに依頼することで、コストの削減につながり、初期費用が抑えられるでしょう。
オリジナルの商品が販売できる
3つめのメリットは、オリジナルの商品が販売できるという点です。 個人で商品をつくりたいと思っても、新たに工場・設備・人材を持つことが難しいのでオリジナルの商品をつくるのは不可能とされていますが、化粧品OEMに委託することで製造・生産を任せられ、オリジナルの商品が販売できます。 さらに、生産や在庫管理も委託できるので、オリジナル商品の販売や宣伝に時間をかけられるようになるので、より効率的です。
化粧品OEMを利用するデメリット
化粧品OEMを利用するデメリットについても見ていきましょう。
販売価格が高くなる
1つめのデメリットは、販売価格が高くなるという点です。 化粧品OEMを利用する場合、初期費用が安くなるとはいえ、委託コストはかかります。また、消費者にとって、よりメリットのある商品を開発する必要があり、オリジナル商品となると知名度も低いので広告も重要になってくるでしょう。そういった面から、販売価格が高くなることが考えられます。
自社生産よりも収益率は減る
2つめのデメリットは、自社生産にくらべると収益率が減るという点です。 化粧品OEMに委託した場合、生産による利益を失うことになります。自社で生産した場合に得られたはずの利益が生まれにくくなることで、製品の収益率は減ってしまうでしょう。
委託先のOEMが将来の競合になる可能性がある
3つめのデメリットは、委託先のOEMが将来の競合になる可能性があるという点です。 化粧品OEMに委託することで、企画・商品開発・販売などといったノウハウが流出します。自社のノウハウが委託先に蓄積されていくことで、競合となりうる類似商品を開発されるという可能性も考えられるでしょう。
化粧品OEMメーカーを選ぶポイントは?
化粧品OEMメーカーを選ぶポイントについてまとめました。
1. 製造会社の強みを知る
化粧品OEMメーカーは、それぞれに得意・不得意分野があります。 これまでにどのような商品をつくってきたかなどOEMメーカーの強みを知ることで、製造したい商品が作れる会社を選ぶことがポイントです。
2. 製造可能品目
製造したい商品が「固体か液体か」や「どのような容器に入れるか」「商品の成分」などが決まっている場合、化粧品OEMメーカーがそれらの要望に答えられる原料・資材・技術があるかどうかが重要になります。
3. 製造ロット数の確認
販売する商品の価格により、だいたいの原価率が決まり、その中で原価を収めたいと考えるのが一般的ですが、製造ロットにより仕入れ価格が大きく変化します。 小ロットで対応してくれるかどうかは、初めの段階で問い合わせておきましょう。
4. 品質管理体制
最低限の品質管理に関するルールは、法律により定められていますが、化粧品OEMメーカーによって大きく異なります。 例えば、製薬メーカーから派生した化粧品OEM会社は、ISO規格やGMP(医療品製造適正基準)に基づいた品質管理体制です。委託するOEM化粧品メーカーがどのような品質管理体制なのかを、詳しく知っておいたほうがいいでしょう。
5. 対応力
商品を取り扱う限り、トラブルが発生する可能性は十分考えられます。 製品不良やお客様からのクレームがあった場合に、自社で対応できないこともでてくるでしょう。そうした場合、化粧品OEMメーカーがサポートしてくれるかもポイントになります。
6. 輸出に関するサポート
国内販売のみで考えている場合は考慮しなくてもよいですが、海外へ輸出・販売を行いたい場合には、国際規格ISO22716が必要条件となります。海外へ輸出・販売を考えている場合は、輸出に関するサポートがあるかどうかも確認しておきましょう。
化粧品OEMの大手メーカー3選
化粧品OEMのメリットやデメリット、選ぶポイントを解説したうえで、ここからはオススメの大手メーカー3社を紹介していきます。
株式会社セントラルコーポレーション
株式会社セントラルコーポレーションは「100個からでも作ります」というキャッチフレーズがあるように、100個からでも全く新しい処方で化粧品を作れます。 一般的な小ロットOEMサービスは、中身が同じケースが多いですが、株式会社セントラルコーポレーションは、全く新しい処方で化粧品の製造ができるので、ここが他社と差別化できるポイントになっているそうです。 「25倍濃度のヒト幹細胞」や「活性型 EGF・FGF」などの日本総輸入元を務めているので、クライアントの戦略に合わせて、差別化された高品質の原料を取り扱われています。
株式会社コスメティックジャパン
株式会社コスメティックジャパンは、化粧品開発をトータル的にサポートしてくれる会社です。 原点は、日本の近代化粧品分野を切り拓いた老舗 桃谷順天館の創業に始まり、化粧品OEMの研究所は1913年開設で、日本で最も長い歴史をもっています。 3つの研究所を所有しており、高品質な製品の製造を可能にしており、さらには、海外に対する実績とノウハウもあるので、海外へのビジネス拡大もサポートが可能です。
株式会社美粧ケミカル
株式会社美粧ケミカルは、スキンケア製品をはじめ、ヘアケア・フレグランス・ボディケア製品、医薬部外品など様々な製品を製造している会社です。 100年以上の歴史により豊富な経験と実績を積んでいる株式会社美化粧は、研究開発に力をいれた社内体制、徹底した製造・品質管理が行われています。 また、品質保証システムの外部認知度を上げるために「ISO9001」を取得し、このマネジメントシステムで営業・商品開発・品質管理・製造までを管理することで、安定した品質を提供できることを可能にした会社です。
まとめ
化粧品OEMのメリット・デメリット、化粧品OEMを選ぶときのポイントについてお伝えした上で、大手メーカー3社を紹介させて頂きました。 化粧品OEMメーカーに委託することで、コストを減らしてオリジナルの化粧品を製造していくことができます。もちろんデメリットもありますが、小ロットからの発注ができ、在庫を抱える心配がなく製造できるので、化粧品OEMに委託を考えている方には、メリットが多いのではないでしょうか。 紹介した大手メーカー3社も、それぞれに特徴をもっているので、ぜひ参考にしてみてください。