毛穴に関する悩みは多く、毛穴ケア用の化粧品は人気があります。
毛穴ケア商品をラインナップに加えたいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、OEM化粧品で使われる毛穴ケアの成分を中心に解説します。
毛穴ケアの基礎知識
より良い毛穴ケア商品をつくるために、毛穴が詰まる原因とトラブルの種類を知っておきましょう。
毛穴の構造
毛穴は医学的には“毛包”と呼ばれ、毛包脂腺系の一部です。
毛包脂腺系は毛嚢、毛、脂腺、立毛筋のことで、毛を収めるように毛嚢が皮膚深くに存在し、毛嚢の下方に立毛筋が付着しています。
毛包の真ん中付近に皮脂を分泌する皮脂腺が開口していて、皮脂は毛を伝わって毛穴(毛孔)から皮膚の表面に分泌されます。
毛穴のつまりはなぜ起きる?
毛穴トラブルで一番多い悩みは毛穴のつまりです。
その原因は紫外線や肌の乾燥、過剰なお手入れ(角栓の抜き取りやピーリングのやりすぎなど)があげられます。
炎症や刺激などでターンオーバーが乱れ、角化亢進(角質の過剰形成や剥がれ落ちるのが遅くなる状態)を起こします。
そこに分泌された皮脂が混ざり、毛穴のなかで固まって皮膚の外に排出できなくなります。これが「角栓」と呼ばれるもので、毛穴を詰まらせる原因です。
毛穴トラブルの種類
毛穴トラブルには3つの段階があります。
1. 白い角栓が詰まった毛穴
皮膚のターンオーバーが乱れて角栓ができ始めた、初期の毛穴トラブルです。
毛穴のブツブツが気になる方もでてきますが、この段階では炎症などはほとんどないです。
2. 黒い角栓が詰まった毛穴
白かった角栓が酸化によって黒くなって目立つようになったものです。
特に皮脂量の多いTゾーン(額や鼻あたり)にできやすく、肌の表面がざらざらとしてきます。
つまった毛穴のなかで炎症が起こったりすることもあります。
3. 開き毛穴・たるみ毛穴
開き毛穴は、毛穴の炎症や加齢が原因で、毛穴がすり鉢状にへこんで目立つようになってしまった状態です。
たるみ毛穴の原因は、肌内部のコラーゲンやヒアルロン酸などの弾力成分の減少です。
年齢とともに肌のハリが失われるため、毛穴もゆるんで縦に広がってしずく状に変形し、目立つようになってしまいます。
OEM化粧品で使われる毛穴ケアの成分
毛穴ケア化粧品はおもに
- クレンジング剤
- 洗顔料・洗顔石鹸
- ピーリング剤
の3種類が用いられます。
それぞれに配合される成分の種類と役割を説明します。
1. オイル類
オイル類は、クレンジング剤や洗顔料の基剤になり、皮脂と馴染んで角栓を柔らかくします。
また、皮膚に浸透して肌を柔らかくなめらかに整える働き(エモリエント作用)によって毛穴を詰まりにくくします。
炭酸ジカプリリル
エステル油という合成油で酸化しにくく、クレンジング剤に配合することが多い成分です。
マカダミアナッツオイル
マカダミアナッツの種子由来の植物油です。
皮脂にも含まれるパルミトレイン酸が豊富(約20%)で、肌に馴染みやすく、エモリエント作用が高くなります。
アボカドオイル
アボカドの果肉由来の植物油です。
皮脂に含まれるパルミトレイン酸が豊富(約6%)で、ビタミンAやE、B群なども含み栄養価が高いのが特徴です。
オリーブオイル
オリーブ果実由来の植物油です。
皮脂に含まれるオレイン酸が豊富(約70%)で、皮脂に含まれるスクワレン、ステロールがあり、肌なじみが良いオイルです。
このほかにも
- アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)
- 米ぬか油
- 馬油
などが用いられます。
2. 酵素
酵素の働きで毛穴に働きかける成分です。
プロテアーゼ
タンパク質を分解して角栓を取り除きます。
リパーゼ
脂肪を分解して角栓を取り除きます。
3. 皮脂や汚れを吸着する成分
主に洗顔料や洗顔石鹸に配合します。
多孔質といってたくさんの微小な穴がある構造をしていて、その穴に汚れや皮脂が吸着されます。
炭
活性炭のほか、竹炭や木炭があります。
クレイ(泥)
カオリン・ガスール・ベントナイトなどがあります。
ミネラルが豊富で、クレイの種類により乾燥肌からオイリー肌まで対応可能です。
4. スクラブ剤
「スクラブ」とは研磨効果のある種子などの細粒のことです。
古くなった角質層を取り除く効果があり、主に洗顔料に使われます。
塩
塩に含まれるミネラルが角質をやわらかくし、血行促進効果があります。
ナチュラルシードスクラブ
アーモンドやオートミール、クルミなどがあります。
種子の種類で効果が異なり、肌へのやさしさがポイントです。
砂糖
砂糖は敏感肌にもやさしく、肌の血行促進に役立つグリコール酸が含まれています。
5. ピーリング剤
古くなった角質をはがす成分です。
α-ヒドロキシ酸
フルーツから抽出された比較的弱いピーリング成分で、サトウキビのグリコール酸、レモンなどのクエン酸、リンゴのリンゴ酸などがあります。
乳酸
乳酸は肌への負担が少なく、大人ニキビにも有効とされています。
サリチル酸
ケミカルピーリングに用いられる薬品で、不要な角質を柔軟にし、角栓ができにくい肌状態をつくります。
6. 皮脂の分泌を抑える成分
皮脂の分泌を抑える効果がある成分です。
有効成分になるので、配合すると薬用化粧品になります。
ライスパワーエキスNo.6
米発酵のプロセスで抽出されたエキスです。
皮脂分泌抑制効果のある有効成分として日本で初めて承認された成分で、皮脂の分泌を抑制します。
フィチン酸(ライスミルク)
米ぬか由来の成分で、皮脂分泌を抑制し、抗酸化力やコラーゲン生成をサポートします。
肌のバリア機能改善や水分保持作用もあります。
ピリドキシンHCL(塩酸ピリドキシン、ビタミンB6誘導体)
緑色植物や卵黄などに含まれるビリドキシンの塩酸塩です。
皮脂抑制効果のあるビタミンB6 の誘導体で、皮脂分泌を抑え、ニキビや肌荒れの防止効果があります。
7. 抗酸化成分
抗酸化作用で角栓の黒ずみを抑えるほか、肌のダメージを予防する成分です。
フラーレン
球状の構造を持つ60個の炭素が、活性酸素を吸着する働きを持つ成分です。
抗酸化力はビタミンCの172倍で、長時間持続します。
10-ヒドロキシデカン酸
ローヤルゼリー中に約5%含まれるローヤルゼリー酸です。
抗菌、抗炎症作用、皮脂分泌を抑制して最適化するほか、毛穴の汚れを溶かし出し、ブラックヘッド(黒ずみ)を改善します。
8. ビタミン類
抗酸化作用を持つビタミン類で、配合すると薬用化粧品になります。
トコフェリルリン酸Na(ビタミンE誘導体)
肌に浸透するとビタミンEに変化し、抗酸化力を発揮します。
リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビル3Na(APM、APS、ビタミンC誘導体)
皮膚に吸収されるとビタミンCに変わり、抗酸化力を発揮します。
美白や皮脂分泌を抑えてニキビを予防する作用もあります。
9. 毛穴の炎症を抑える成分
抗炎症成分で、配合すると薬用化粧品になります。
グリチルリチン酸ジカリウム
生薬に使われる甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分で、水溶性を高めたものです。
抗炎症、抗アレルギー作用、皮膚刺激を緩和する作用があります。
グリチルレチン酸ステアリル
生薬に使われる甘草(カンゾウ)の根に含まれる成分で、グリチルレチン酸誘導体(油溶性)です。
疑似ステロイド作用による抗炎症作用・抗アレルギー効果があります。
このほかにも
- アラントイン
- イプシロンアミノカプロン酸
があります。
10. 真皮に働きかけ毛穴を目立たなくする成分
たるみ毛穴ケアに有効な成分です。
保湿効果と、肌のハリ・弾力をたもつ効果で毛穴を目立たなくします。
3-0-セチルアスコルビン酸(ビタミンC誘導体)
コラーゲン生成促進効果、抗酸化作用がある安定性にすぐれたビタミンC誘導体です。
パルミトイルトリペプチド‐5
アミノ酸由来のペプチドが主成分で、分子量が小さいので浸透性が高いのが特徴です。
コラーゲンやヒアルロン酸の合成を促進させるといわれています。
ジパルミトイルヒドロキシプロリン(ヒドロキシプロリン誘導体)
コラーゲンの必須アミノ酸であるヒドロキシプロリンとパルミチン酸を結合した成分です。
保湿効果やコラーゲン繊維修復の活性化、エラスチン分解酵素の働きを抑えるなど抗酸化効果が期待できます。
まとめ
毛穴ケアは、皮脂分泌抑制などが中心の若い世代向けと、毛穴のたるみをケアしたい高年齢向けで配合が大きく変わります。
ターゲットに最適な処方に悩んだら、OEM会社に相談してみましょう。
この記事を参考にして、素敵な毛穴ケア化粧品をつくってください。