物流業界の人手不足の問題と労働改善について

物流 人手不足 労働改善 問題

近年、日本の産業の多くは労働人口の減少などにより、人手不足に悩まされています。その中で特に深刻な業界の1つに物流業界が挙げられます。物流業界は2020年までは人口減少により、市場規模は若干の縮小を見せておりましたが、ここ数年はコロナ化の影響もあり、市場規模は大幅に増加するとともに、各家庭などの小口配送が増加しております。今後もリモートワークが進むことでこの傾向は続いていくと考えられ、物流業界にとってはうれしい反面、さらに人手不足に悩まされる結果となっております。

また、労働環境も荷物の上げ下ろしや長時間労働があり、過酷な現場となっております。そのため、近年の物流業界の有効求人倍率はトラックドライバーをベースに見てみると、平成30年4月には2.68倍となっており、全業種に比べ2倍程度の開きがあります。今後も環境が改善されなければ、この傾向は続いていくと考えられます。このサイトではこのような物流業界の環境変化や人手不足の原因を解説するとともに、改善施策をまとめていきます。

物流業界を取り巻く環境変動

近年、日本の物流業界を取り巻く環境は変化しております。特にここ数年はコロナ化で巣ごもり需要が高まり、物流数が増加しております。また、日本の人口減少による影響も深刻です。ここでは、大きな要因として上記に挙げた2点を詳しく解説します。

物流数の増加

2017年から2020年までの物流市場は若干の減少傾向でしたが、コロナの影響もあり、2021年、2022年は数%程度の成長を見せる想定です。各企業もリモート化が進んでおり、それに伴って、巣ごもり需要も増えていくと考えられます。今後も、物流市場の規模は増加していくと考えられます。(※1)

また、市場規模の増加以外にも近年では貨物量の小口化が進んでおります。少し古いデータとなりますが、平成2年では2.43トン/件であったのが、平成27年には0.98トン/件と4割程度まで小口化が進んでいます。家庭向けの配送が増えたことが原因と考えられ、今後もこの傾向は続いて行くと考えられます。(※2)

※1参照:物流業界における市場動向-今後の課題と解決動向-

※2参照:物流を取り巻く現状について

総労働人口の減少

日本の総労働人口(15歳~64歳)は1995年頃をピークとして年々減少しています。2020年の総労働人口はピーク時に比べて16%も減少しており、今後もこの傾向は加速していると考えられ、総務省の統計によると2030年にはピーク時に比べ、22%減少し、6773万人にまで減少するとの統計が出ております。

政府としては外国人労働者の受け入れを積極的に行う方針ですが、日本の経済成長率や給与水準も他の先進国に比べて低いため、効果を挙げるのは難しいのが現状です。

物流業界の人手不足の原因

この章では物流業界の人手不足の原因を解説いたします。大きな要因としては以下の4点が挙げられます。1つ1つ解説していきます。

  • 少子高齢化
  • 家庭向けの配送が増加
  • 給与水準の低迷
  • 過酷な労働環境

少子高齢化

少子高齢化の影響は深刻です。上記にも述べましたが労働人口は16%も減少しており、人手不足の物流業界ではさらに人員の確保が難しくなっております。(※3)その結果、物流業界の高齢化も進んでおり、ドライバーの例を挙げると、平成29年度の調査では、全業種の平均年齢42.5歳に対して、大型トラックドライバーは47.8歳、中型トラックドライバーは45.8歳とどちらもかなり高齢化が進んでいることが分かります。(※4)高齢になると体力の低下などから、より長距離の運転は厳しくなるため、早めの改善が求められます。

※3※4参照:物流標準化と物流現場の現状

家庭向けの配送が増加

Amazonや楽天などのネットショッピングが台頭したことにより、急激に家庭向け配送が増えました。このことは先に述べた1件当たりの貨物量が平成5年に比べ40%になってしまったことからも分かると思います。その結果、配送時間の増加や、受け取りの待ち時間の増加が発生してしまい、人手不足となっている物流業界に打撃を与えています。コロナ化でさらにオンラインショッピングの需要が高まったことで、今後もこの傾向は続くと考えられます。

給与水準の低迷

給与水準の低迷も大きな問題となっております。物流業界全体の給与水準は平均462万円となっており、全業種に比べても低い傾向になります。また、これらの物流業界には大手の商船企業の東京汽船や乾汽船などが含まれており、トラック運搬を主とした企業となるとさらに給与水準は低いと考えられます。このように給与水準が低いのも人手不足を招いている一員となります。

過酷な労働環境

過酷な労働環境も人手を遠ざけている一因となっております。全産業の平均が年間2100時間程度の業務時間であるのに対して、トラックドライバーであれば、年間2600時間ぐらいの労働時間となっており、2割以上労働時間が多いという結果となっております。また、荷物の荷運びなどの業務も必要となり力仕事も必要となっております。このような肉体的に過酷な労働条件であるため、人手不足が深刻となっています。

物流業界の改善方法

改善方針は大きく2つに分けることができます。1つ目は労働力を確保して、使える総労働量を増加させる施策、2つ目は総労働量の削減/労働の質を上げる施策になります。それぞれ例を見ていきます

総労働量を増加させる施策1: 多様な人材を取り入れる

近年、まだ効果は限定的ですが外国人労働者の受け入れを政府は強化をしております。また、近年のシニア世代は定年後もまだ元気なことが多く、労働力としてはまだまだ活躍できることが多いです。今後、このような人材を取り入れていくのも人手不足を解消する一案になるでしょう。外国人労働者やシニア世代ということもあり、負荷がかかりやすい長距離輸送に回すのは難しいかもしれませんが、個人の能力や力量に合わせて、短距離配送/中距離配送などに回すことでより、中距離・長距離人材の確保もしやすくなると思います。

総労働量を増加させる施策2: 人材派遣/個人事業主を活用する

近年は終身雇用制が終了しつつあり、人材派遣業やクラウドソーシングなどの仕組みも活発になりました。これらを利用して人材の確保に乗り出す方法もあると思います。例えば、Amazonでは人材確保の一環として個人事業主と提携を進めており、勤務時間などを好きに設定できるようにすることで人材確保をしているようです。このように人材派遣や個人事業主を活用するのも一案となります。

総労働量を増加させる施策3:労働環境の整備

やはり人手不足のメイン原因となっている労働環境の整備を改善するのは必要不可欠と言えます。なかなか給与を上げることは難しいと思いますが、シフトを改善して、労働力が必要な積み荷作業の人手を増やす、有休を取りやすくするなど、給与以外のところの改善も現在の労働人材を手放さないという意味では効果が期待できます。

総労働量を削減する施策1:荷待ち方法や配達方法の改善

ここからは労働量を削減する施策になります。まずは荷待ち方法や配達方法の改善です。近年個人向け配送が増えていることにより、荷物を渡す際の待ち時間や再配達対応などに多くの時間が割かれています。また、個人向けでない場合でも荷待ち時間のドライバーの待機時間が多くかかっており、平均して1時間半以上の待ち時間が発生しています。個人向けであれば、置き配を導入したり、法人間であればトラックの到着後迅速に荷卸しをするなどの取り決めを交わすことで労働時間が改善される可能性があります。

総労働量を削減する施策2:IoTを活用

最後にIoTを活用する方法をご紹介いたします。物流業界は設備投資に積極的な業界と言われており、毎年業界の20%以上の企業は設備投資の計画をしています(※参考として製造業は10%台になっております)。しかし、まだ運ぶ人・ドライバーを支援するIoT導入には時間がかかっているというのが現状です。運ぶ人材を支援するIoTの活用方法としては配送ルート最適化システムを導入する方法や、荷待ち時間の短縮のため、車両動態管理システムで荷待ちを予約制にして効率を上げるなどといった手段が考えられます。

これらは現在すでに開発されているサービスですので、導入することでドライバーの労働環境の改善に役立ちます。

また、トラックドライバー不足解消のために現在、検討している施策としては、国土交通省及び経済産業省が合同で東名高速道路で先頭車両のみが有人で後続車両が無人のトラック隊列走行の計画を推し進めています。

また、AIを活用した不在予測も検討されています。こちらは試験的に実験をした企業にて9割近く改善したという結果が上がっているようです。

まとめ

物流業界の人手不足は年々深刻になっております。今後もこの状況が続くと人手不足が悪化し、労働条件が悪くなり、その結果さらに人手不足が悪化するという悪循環を招いてしまいます。IT導入などによる抜本的な改善には時間がかかってしまいます。まずは人材派遣などを利用することで、労働環境を少しずつ改善していくというのが現実的な対処方法です。

執筆者:OEMビジネスドットコム 編集部(株式会社Cogane studio)

OEMビジネスドットコムのコンテンツ作成を担当しています。株式会社Cogane studioでは、化粧品や健康食品ビジネスに関するマッチング、専門的な情報発信を行っています。

 

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