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物流 倉庫 人手不足

物流倉庫が人手不足の現状とは?

物流 倉庫 人手不足

近年、ECサイト(Amazonや楽天など)の普及により運送企業や倉庫・物流業界は慢性的な人材不足に陥っています。人材不足の原因として、低賃金や長時間労働など労働条件が他企業と比較して悪いことが挙げられます。これらの課題が挙げられる中、物流倉庫で勤務する人手不足の現状と対処方法、ITやDXを活用した事例について紹介します。

物流企業が抱える現状や課題

物流企業は、労働条件が他業種よりも悪い印象があり慢性的に人材が集まらない状況が続いています。また、物流企業は激務やブラックな印象が強く好んで働いてくれる人材が不足しています。他にも物流企業が抱えている課題が次の2つになります。

  • 高齢化に伴う人手不足
  • ECサイト普及による激務化

これらの課題を解消するための方法や対処方法についても紹介します。

高齢化に伴う人手不足

帝国データバンクの調査によると物流倉庫で勤務する人材の内、6割の企業で正社員が不足しているデータが公表されています。(※1)物流企業で勤務する社員の多くは、高齢化が進み国土交通省の調査によると、2030年までには20代以下の若年層が15%まで減少すると見込んでいます。(※2)また、50代以上の割合が2030年までに35%まで上るとして若年層の働き手が減少していることがわかります。

※1参照:人手不足に対する企業の動向調査(2019年4月)|帝国データバンク

※2参照:物流施設における労働力調査調査報告書|国土交通省

ECサイト普及による激務化

近年では、Amazonや楽天市場などのECサイトが普及してきており物流・倉庫業界の業務が激化しています。また、ECサイトで注文した商品を1度で受け取らず何度も訪問する再配達の割合も高いことも業務を圧迫している原因の一つになります。倉庫側では、荷物をトラックに詰め込む作業が増え1人当たりの作業時間が長くなっている傾向にあります。そのため、1日中荷物を運搬したり搬入したりする作業をする企業が多くいます。

物流企業の人材不足における対処方法

高齢化やECサイトの普及、激務だと認知されている業界のため人を集めるにも工夫が必要になります。物流企業の人材不足における対処方法の例を2つ挙げます。

物流システムのIT化

物流企業の人材不足を解消する一つの方法として、倉庫管理システムを導入して倉庫内の商品や搬送する商品を一元管理するシステムを起用することです。倉庫内の商品をデータベース化することで入庫や出庫などの移動距離を短縮することが可能になり省人化をすることができます。倉庫内にある商品を正確に把握することで、無駄な作業や業務が減少します。IT化が進むことで、単純作業が多くなりアルバイトやパートタイムでも対応できる作業に落とし込むことができます。品質を担保するためにも人材の確保は、急務と言えます。

再雇用・外国人の登用

人材不足に陥る原因として、倉庫での勤務は肉体労働であるため年齢的に限度があると考えられてきました。しかし、IT化やロボット技術が発展すれば年齢による弊害が少なくなります。また、業務の細分化や労働時間の整備などをおこない外国人の雇用を進めることで、人手不足を解消することができます。

人手不足の解消事例

倉庫内で人材不足が陥っている中で、ITを活用して省人化を図っている企業も多くいます。省人化を進めることにより、少子高齢化の影響や人材の流出にも対応できるようになり、企業としては人材を確保し続ける労力が不要になります。ITを活用した作業員の効率化や自動化について3つの例を挙げ紹介します。

無人搬送ロボットを活用したピッキング作業

家具を販売しているニトリホールディングスと物流企業の子会社であるホームロジスティクスは、大阪でECサイトなどの通販サイトからの発送を商品棚ごとに移動させる「バトラー」というロボットを導入しています。(※3)従来のピッキング方法では、従業員や作業員が倉庫内にある商品棚を探し、ピッキングしていました。そのため、探す時間や労力などを消費していましたが「バトラー」では、ピッキング対象の商品を棚に運搬してピッキングを自動でしてくれます。そのため、人が作業する必要がなくなり作業効率が従来の約4.2倍に増加したと報告しています。(※4)

※3参照:ホームロジスティクスWEBサイト ※4参照:Butler®販売代理店GROUND WEBサイト

倉庫の全自動化

アパレル業界では、RFID(Radio Frequency Identification)という非接触型のスキャンシステムを導入しています。RFIDの導入によりファーストリテイリングは、倉庫の省人化をマテリアルハンドリングで有名なダイフクと一緒に先行的に進めています。生産段階で商品にRFIDを貼り付けて、生産から物流、陳列、販売までも一貫して管理しています。人が作業するタイミングは、ピッキング作業のみで従来の作業を9割減らすことに成功しています。(※5)また、アパレル業界のレジなどでもRFIDは活用されており、商品をボックスに入れることで商品の数や値段を瞬時に反映してくれます。RFIDの活用によりレジの店員が要らなくなり、省人化を進めることができます。

※5参照:ファーストリテイリングWEBサイト

ハンズフリーによる作業ミスの軽減

音声認識ソフトを活用して、工事現場や建設現場、物流業界で作業の効率化を図る事例が多く挙げられています。ハンズフリーでおこなう業務では、作業員がイヤホンを装着して上司やベテランの方からの指示を受けながらピッキングをしたり、検品や商品の入力、入庫、出庫などをおこないます。これらの作業は、ハンディタイプの端末や紙を持たずに作業をすることができ、両手で業務ができ安全で効率的におこうことが可能です。携帯などの端末を扱う物流企業では、聴覚と目視の両方を活用して作業をおこなうようにしており、ピッキングのミスを最小限にしています。また、精密機器を扱う上で両手で作業ができるので、落下による破損なども防ぐことができます。

まとめ

この記事では、物流倉庫の人材不足の現状や課題、対処方法について紹介しました。これからの高齢化やECサイトでの販売が多くなる一方で、IT化やDXの推進が企業では進められます。人材不足を解消するには、時間やコストなどがかかりますが企業ごとに働きやすい環境を整備して、求職者を募ることをおすすめします。


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