化粧品の販売名とは
販売名とは公正競争規約において以下のように定義されています
- 第3条
- 規約第4条第2号に規定する「販売名」は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)の規定に基づく承認を受けた名称又は届け出た名称により表示する。
つまり、その商品につけられた個別の名前、国により認可を受けた法律上の商品の名前ということになります。
届出をしないとそもそもその化粧品を作るどころか、販売もすることができません
また、この販売名に関しては化粧品製造販売届出において、記載して提出する必要があるために、提出時もしくは提出前にその販売名が使っても良いものかというある意味審査のようなものがあります。そういった意味でも最初に考えなければならないのがこの販売名となります
化粧品の販売名と通称(あだ名)の違い
この化粧品の販売名ですが、実は化粧品には2つの名前があることをご存知でしょうか?おそらく日本で売られている全化粧品には2つの名前を持っています。それが今回説明する販売名と通称(あだ名)です。簡単にこの2つを説明すると
通称(あだ名)=みんなが知っている名前、売る時に使う名前
といったところです。
おそらく多くの方が認識している名前が通称(あだ名)の方で、本当の販売名の方は必ず商品には記載されていますが、ほとんどが認知されていません。
そんな大事だけど、認知がされてない、作る時に絶対に必要な販売名の付け方について、今回は紹介していきたいと思います
販売名をつける前に必ずチェックしたい商標権
まず、販売名を考える前にそもそも、その販売名が他社の商標権を侵害しているかどうかは結構盲点だと思います。まずはじめに、今お考えの販売名がそもそもつけても大丈夫なものなのかを検索してみましょう。
こちらは特許庁で簡単に検索することができます
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
販売名をつける際の注意事項
薬機法上の注意点
薬機法では以下のルールが設けられています
「名称」欄中「一般的名称」欄の記載は要しないが、「販売名」欄の記載にあっては、下記に留意すること。
(a) 製品の販売名(色調又は香調を表す部分を除く販売名が同じであり、色調又は香調以外の性状が著しく変わらない場合(以下「シリーズ商品」という。)を1製品として届け出る場合は、色番号、色名、香名等の色又は香りの識別に関する部分を除くものをいう。)を記載すること。
(b) 異なった処方の製品に同一の販売名は使用しないこと(ただし、シリーズ商品は除く。)。性状が著しく異ならない範囲での配合成分の増減等については、製造販売上又は使用上の混乱が生じないならば、同一販売名を使用しても差し支えないこと。
(c) その他、次の点に留意すること。
(ア) 既存の医薬品及び医薬部外品と同一の名称は用いないこと。
(イ) 虚偽・誇大な名称あるいは誤解を招くおそれのある名称は用いないこと。
(ウ) 配合されている成分のうち、特定の成分名称を名称に用いないこと。
(エ) ローマ字のみの名称は用いないこと。
(オ) アルファベット、数字、記号等はできるだけ少なくすること。
(カ) 剤型と異なる名称を用いないこと。
(キ) 他社が商標権を有することが明白な名称を用いないこと。
(ク) 化粧品の表示に関する公正競争規約に抵触するものを用いないこと。
(ケ) 医薬品又は医薬部外品とまぎらわしい名称を用いないこと(例えば、○○薬、薬用○○、漢方○○、メディカル○○、○○剤、アトピー○○、ニキビ○○、アレルギー○○、パックで「○○ハップ」等)。
改正薬事法の施行に伴う製造販売の承認を要しない医薬品等の取扱い等について(平成17年3月31日)(薬食審査発第0331015号)(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2673&dataType=1&pageNo=1
配合成分を販売名に使いたい!!ちょっと待った
配合している成分を販売名に使いたい人も多いと思いますが、ちょっと待ってください。その場合は、公正競争規約施行規則に細かくルールが書かれています
配合成分の名称を販売名に用いる場合
- 第7条
- 事業者は、配合成分の名称を販売名に用いても、当該化粧品の効能効果について一般消費者に誤認されるおそれがないものとして施行規則で定めるものについては、配合成分の名称を販売名に表示することができる。
つまり、場合によっては配合成分を販売名につけることは可能です。ただし以下の注意が必要です
配合成分の名称を販売名に用いることができる化粧品
(1) 香水、オーデコロン等の香りを主目的とするものに香料名を用いる場合(2) 口紅、爪化粧品等の色調を主目的とするものに色調名をあらわす名称を用いる場合(3) 香料を配合成分とするものに当該香料名を用いる場合。ただし、当該香料を配合成分として用いていることを、当該化粧品の販売名を表示している箇所に併記しなければならない。 例、レモン香料配合(4) 配合成分の配合量が次の基準に達するものに当該配合成分名を用いる場合
ア オリーブ油が90%以上又は椿油が95%以上配合されている化粧品について、「オリーブ油」又は「椿油」の文言を販売名に用いる場合イ オリーブ油、椿油を次の基準に適合するよう配合されている化粧品であって、「オリーブ乳液」「椿香油」等の名称を販売名に用いる場合
(ア) 乳液、クリーム等のように乳化された化粧品の場合、当該配合成分が当該化粧品の全成分のうち、水分を除く成分の5%以上を配合したもの
(イ) 香油等のように油状の化粧品の場合、当該配合成分を10%以上配合したもの(5) 配合成分の名称を販売名に用いても、当該化粧品の効能効果について、一般消費者に誤認されるおそれがないものとして公正取引協議会が認めたもの
施行規則第15条第5号に規定する「公正取引協議会が認めたもの」とは、次に掲げるものをいう。
(1)ホルモン
(2)カラミンローション
(3)製造販売業者名又は屋号若しくはこれに類する固有の商標(固有の商標であるかどうか判断が困難なものについては、当該事業者の製造する化粧品のうち2以上の異種の化粧品に使用されているもの)
この場合、化粧品の配合成分として用いられるものであると一般消費者が誤認するおそれのある場合には、当該配合成分が用いられていない旨を明りょうに表示すること。
とされています
効能効果や医薬品を暗示しそうな名前もアウト
※化粧品の効能効果を逸脱した表現(医薬品、医薬部外品の効能効果を暗示している等)にならないように注意してください。
こちらは、販売名ではなく、ブランド名ですが、基本医薬品と誤認されるような名前の付け方はやはり指摘を受けやすいので、注意が必要です。
盲点!! 県によってローカルルールあり
実はこの販売名、申請業務もあるために県によって、この名称はありなし、など独自ルールがある場合があります。なので、早めに県の薬務課に申請するか、決める前に直接相談しにいくことも重要です。
記載の時の注意点
記載場所
直接、容器に記載するか直接の被包されているものに記載する必要があります
外部の容器または外部の被包
記載方法
日本語で明瞭に記載する必要があります。
文字の大きさ
7ポイント以上で記載する必要があります。
表示が困難な場合は4.5ポイント以上、小型容器(30gまたは30mL以下)は規定はありません。
OEMビジネスドットコム流!!オススメの販売の決め方
そうはいっても、販売名をどうやってつけようか迷われる方も多いと思いますが、大丈夫です。なぜならほとんどの商品の販売名を9割9分の人は知りません。
そうこの販売名。商品を作る時、申請するときには必須の名前ですが、売る時にはほとんど消費者のみなさんが知ることのない名前になります。実際にドラッグストアに行ってみて、普段買っている、使っている商品の裏面の表記を見てみてください。知らない販売名がついているはずです。
多くの人は通称(あだ名)で商品を認知しており、販売名は誰に聞いてもほぼ知りません。なので実際に、実用的な名前でかっこわるいなと思ってもそれを認知する人はほとんどいないことになります。そう考えただけで、おそらく名前はつけやすくなるかと思います。
実際に自分の商品に近い他社品の商品をお近くの化粧品売り場でたくさん見て、販売名の参考を見れば、おそらくすぐ決めれるかと思いますので、ぜひこのやり方を参考にしてみてください。意外な名前がついていますよ。
よく分からない場合はBentenへ
とにかく販売名の付け方がよく分からない場合はぜひ、化粧品OEM、健康食品ビジネスマッチングサイトBentenで質問を投げてみるか、Bentenがオススメする専門家に相談してみてください
下記リンクより無料で登録、相談できます
参考文献
http://www.tokyo-eiken.go.jp/k_yakuji/i-sinsa/hanbaimei/
http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/k_yakuji/i-sinsa/cosmetics/todokede/0331015.pdf