化粧品OEMのパッケージはどうする?
はじめてオリジナル化粧品を作りたいと思ったとき、化粧品の中身と同様にパッケージや容器のデザインも重要です。
なぜならパッケージデザインは、化粧品のイメージや売り上げに大きく影響するからです。
そこで本記事では、はじめて化粧品OEMを検討している方に向けて、化粧品OEMのパッケージや容器の種類や、ロット数、選ぶ際のポイントなどについて説明していきます。
化粧品のパッケージ・容器の手配
化粧品のパッケージ・容器の手配には2つの方法があります。
1つめは、化粧品製造を依頼している「化粧品OEMメーカー」にお願いをすること。
2つめは、「化粧品容器メーカー」で調達し、資材提供をお願いする方法です。
それぞれのメリット、デメリットを説明します。
化粧品OEMメーカーにパッケージ・容器を依頼する場合
◎ メリット
- パッケージ・容器の在庫を抱えるリスクが少ない
- 化粧品OEMメーカーが仕入れているものを使用することでコストを抑えられる
△ デメリット
- 小ロットの場合、パッケージ・容器の色付けや印刷ができない場合がある
- 他社ブランドとの差別化がしにくい
容器メーカーにパッケージ・容器を依頼する場合
◎ メリット
- コンセプトに合ったパッケージ・容器を選ぶことができる
△ デメリット
- パッケージ・容器の開発コストがかかってしまう
- 在庫を抱えるリスクがある
化粧品OEMで選択できるパッケージの種類
化粧品OEMで選択できるパッケージの種類は大きく分けて4種類あります。
- 箱
- アルミパウチ
- プラスチックチューブ
- ガラスビン
それぞれの特徴を説明します。
箱
商品を陳列しやすい。
ほとんどの商品に使用されています。
アルミパウチ
遮光性に優れており、長期保存に向いています。
プラスチックチューブ
多少粘度があるものに適しており、処分もしやすいのが特徴。
ガラスビン
密閉性が高く、透明感があるので高級感がでます。
化粧品OEMで選択できる容器の種類
化粧品OEMで選択できる容器は大きく分けて13種類あります。
- 細口ボトル容器
- 広口ジャー容器
- チューブ容器
- マスカラ容器
- ポンプ容器
- スプレー容器
- 中栓容器
- スポイト容器
- エアゾール容器
- エアレス容器
- 塗布つき容器
- 繰り出し容器
- コンパクト容器
それぞれの特徴を説明します。
細口ボトル容器
シャンプーや化粧水などに使用されることが多く、中身のでてくる部分が狭く細長い形になっています。
広口ジャー容器
クリームやジェルなど使用するのに便利。
スパチュラとセットになっているものもあります。
チューブ容器
ジャー容器と同じようにクリームやジェルなどに使用されることが多いです。
ジャー容器に比べると使い方も便利でコストが低いのが特徴。
マスカラ容器
マスカラやまつ毛美容液などに使用されることが多いです。
ブラシ部分の種類が多く、化粧品に合わせて選ぶことができます。
ポンプ容器
シャンプーや化粧水、ボディクリームなど多くの化粧品に使用できます。
ポンプ式で簡単に中身をだすことができて便利ですが、ポンプ代のコストもかかります。
スプレー容器
液体状の化粧品に使用され、細かいミストを噴射します。
こたらもコストがかかる仕様になっています。
中栓容器
容器の入口部分に中栓をつけた容器。
中身を使うときは容器を振って、少量ずつだします。
コストを抑えることができます。
スポイト容器
美容液のセラムに使用されることが多いです。
中身をスポイトでとり手のひらに乗せます。
エアゾール容器
中身に空気が触れないようになっており、ガスの力で液体を噴射します。
エアレス容器
ポンプになっていて、押すと中身がでてきます。
特殊な構造で中身を新鮮なまま保管することが可能。
製造コストが高いので、使用されることは少ないです。
塗布つき容器
ネイルやマスカラなどに使用されることが多いです。
繰り出し容器
口紅やリップなどに使用されます。
底の部分を繰りだして、中身をだします。
コンパクト容器
アイシャドウやファンデーションなどに使用されることが多く、中身をプレスして詰めます。
容器の形状で大切なポイントは、使いやすさや持ちやすさ、中身のだしやすさです。
容器のキャップもワンタッチ式か回して開閉するタイプなど、使う場面に合わせて考えることが大切。
あまりデザインにこだわりすぎてしまうと持ち運びがしにくい、保管がしにくいなどの問題点がでてきてしまいます。
また、化粧品の品質を保つために注意しなければならないのが、光、酸素、雑菌です。
光に弱い化粧品が入っているときは不透明な容器を使用したり、酸素に触れてはいけない化粧品のときは、エアレス容器を選ぶなどの工夫が必要です。
パッケージ・容器のロット数
オリジナルの化粧品を作る際にロット数を考えることが大切ですが、パッケージや容器のロット数も、同じように考えなければなりません。
基本的に、パッケージに印刷のないものだと500〜1000個がほとんどです。
まれに100個から対応している容器メーカーもありますが、割高になってしまいます。
印刷や塗装などの加工によって対応できるロット数が変わるので注意が必要です。
希望のロット数を容器メーカーやOEMメーカーに相談しましょう。
化粧品パッケージの表示義務事項
化粧品のパッケージには薬事法による表示義務があります。
記載しなければならないものを簡単に紹介します。
- 必要表示事項
- 種類別名称
- 販売名
- 製造販売業者の氏名または名称及び住所
- 内容量
- 製造番号または製造記号
- 厚生労働大臣の指定する成分
- 厚生労働大臣が定める化粧品については、その使用期限
- 原産国名
- 施行規則で定める化粧品についてはその使用上または保管上の注意
- 問い合わせ先
これらをパッケージに表示します。
全成分表示のルール
- 全成分の記載
- 配合量の多い順で記載
- 配合量1%以下の成分は順不同でよい
- 着色料は末尾に順不同で記載してもよい
- 着香剤は「香料」と記載してもよい
というルールもあります。
詳細は以下の記事でも解説しています。
化粧品OEMのパッケージ・容器を選ぶ際のポイント
化粧品OEMでオリジナル化粧品を作る際に必要な、パッケージ・容器を選ぶポイントを説明します。
オリジナル化粧品のパッケージデザインは、売り上げに大きく影響します。ターゲットの年齢層や価格帯などによってデザインの雰囲気が大きく変わります。
見た目がオシャレだと化粧品を使うたびにわくわくした気持ちになれます。
消費者の手にとったときに喜んでもらえるかを考え、デザインを考えましょう。
化粧品のコンセプトを明確にすることも大事ですが、パッケージデザインもしっかり考えることが大切です。
容器メーカーやOEMメーカーに、パッケージデザインについて相談してみるのもおすすめです。
化粧品に合った容器のサイズを選ぶことで、品質を保つことができます。
化粧品によって開封後から〇日で使い切ると決まっているものや、冷蔵庫保存しなければならないものもあります。どれくらいで使い切るかを想定し、パッケージのサイズを選びましょう。
また、容器にどのくらいの中身の量が適しているかコストバランスを考え、選ぶことが大切です。
はじめての化粧品作りでパッケージや容器を考えたり、選んだりすることは、ハードルが高く時間もかかってしまいます。パッケージ・容器デザインのプロに任せることで、工程がスムーズに進みます。
ある程度慣れて商品数が増えたときには、自分で容器メーカーから手配することをおすすめします。
まとめ
本記事でははじめて化粧品OEMを検討している方に向けて、化粧品OEMのパッケージや容器の種類や、ロット数、選ぶ際のポイントなどについてご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしていただきながら、素敵なオリジナル化粧品をつくってくださいね。