旅行や出張などで地方に行くと、パーキングエリアや道の駅などでその地方の独特の商品を見つけることができます。
そこではその地方で作られた郷土品や食材だけでなく、その食材を加工した食品など様々な商品が置かれています。
一見すると食べ物や郷土品に目が行ってしまうかもしれませんが、実はそこにも化粧品が販売されている場合があります。
今回の記事では、道の駅などで置かれているご当地コスメの作り方や化粧品OEMを利用した開発方法などをご説明したいと思います。
ご当地コスメとは
ご当地コスメとは文字通り、その地域の産業を盛り上げるために、その土地のマスコットキャラクターや名産品などをちなんで作られる化粧品となります。
その中でも代表的なものとしてはスキンケア系の化粧品が挙げられます。
スキンケア系の化粧品とは、洗顔料や化粧水、乳液、クリームなど主に顔に使用するものを指します。 以下でそれぞれのスキンケア化粧品の種類と役割を簡単にご説明いたします。
化粧水
肌を保湿し滑らかにする機能を持つ透明の液体状の化粧品であり、主な配合成分は水系の基材や保湿成分となります。化粧水の他に、ローションやトナー、トニックとも呼ばれることもあり、使用場所は顔に使用するものが一般的ですが、全身に使用するものもあります。
乳液
肌を保湿する機能を持つ白濁した不透明な液体状の化粧品であり、主な配合成分は水系の基材や保湿成分、油系のエモリエント成分となり、水分と油分を乳化させることにより作られます。乳液の他に、ミルクやエマルジョンとも呼ばれることもあり、主に顔に使用されることが一般であり、化粧水よりもしっとりとした仕上がりになるのが特徴です。
クリーム
肌を保護し、うるおいを与える白色の半液状の化粧品であり、主な配合成分は油系の基材や水系の基材、水系の保湿成分、油系のエモリエント成分となり、乳液と同様に水分と油分を乳化させることにより作られます。
乳液と比べると油系の成分が多く含まれるため、やや固めでこっくりとしたテクスチャーが特徴であり、化粧水や乳液で補った潤いが蒸散しないようにする役割があります。
美容液
肌を保湿する機能を持つ透明の液体状の化粧品であり、主な配合成分は水系の基材や水系の保湿成分となります。化粧水と比べると、保湿成分がより多く含まれているため、より濃厚なテクスチャーが特徴です。化粧水で肌を整えた後に保湿感を高めるために使用されることが多いものとなります。
オイル
肌に油分を与え保護する透明の液体化粧品であり、主な配合成分は油系の基材とエモリエント成分となります。主に顔に使用されることが多く、肌に油分を与えることで肌に柔軟性を与え、水分蒸散を防ぐ効果があります。
洗顔料(クレンジング)
化粧や汚れ、余分な皮脂を落とす洗浄機能を付与された化粧品であり、化粧を落とすための用途のものをクレンジング、顔の汚れや余分な皮脂を洗いながす用途のものを洗顔料といいます。
形状は液状やジェル状、クリーム状、オイル状、固形など様々です。
以上が代表的なスキンケア系化粧品の説明です。
それぞれ異なった剤型と特徴を持っており、それぞれで多くのニーズがあります。
剤型別での化粧品特徴については、他の記事でまとめてますので、宜しければそちらもご参考ください。
ご当地コスメを発売するメリット
それでは、ご当地コスメを発売するメリットとは何なのでしょうか。
ご当地コスメはその土地ならではの作物を使った成分や技術を応用して作られるため、それぞれの土地ならではの「限定感」や「特別感」を付与することができます。
ご当地それぞれの特色を上手に活かすことで、他社商品との差別化やブランディングを図ることができ、話題になればその地域全体の活性化にも繋がることもあります。
ご当地コスメの開発方法〜化粧品OEM活用法〜
ご当地コスメの開発方法において、自社に化粧品を作るような設備を持っていない方には化粧品OEMを活用する方法がオススメです。
しかし、その地域の作物などの特産物を化粧品に応用する場合は、まずはその特産物を使用した「オリジナル化粧品原料」の開発から始める必要があります。
というのも、化粧品に使用する原料には「化粧品原料基準」という基準が設けられているため、化粧品原料はその基準にあったものでなければなりません。
オリジナル化粧品原料の開発には専門の技術が必要であるため、対応してくれそうな化粧品原料メーカーに相談するか、化粧品OEMでも対応が可能な場合があるため、予め相談しておきましょう。
オリジナル化粧品原料の開発目処が立ったら次は化粧品OEMにオリジナル化粧品の開発依頼を行いましょう。
化粧品OEMを利用してオリジナル化粧品を開発する主な流れは以下となります。
- 理想とする商品像やコンセプト、販売計画を立てる。
- 商品企画書を作成する。
- 化粧品OEMにサンプル依頼を行う。
- 化粧品の容器を決定する。
- 安定性試験を実施する。
- 製造を行う。
- 品質検査後、商品が納品される。
一連の流れを書くとすぐにもできそうに見えますが、開発着手から発売までは大まかに約1年程度かかることがあります。特に商品企画書は、思い描いているオリジナル化粧品がどのようなものかを化粧品OEMに伝えるための重要な書類となります。買いに来るお客様の年齢層やニーズなど、場合によっては様々なマーケティング調査も必要になって来るため、じっくり時間をかけて理想の商品像を作るようにしましょう。
商品企画書の書き方については他の記事でまとめていますので、宜しければそちらも参考にしてみてください。
以上が化粧品OEMを活用したご当地コスメの開発方法となります。
化粧品OEMや化粧品原料メーカーは国内外に多くあるため、どのような化粧品OEMがあるか分からない場合は化粧品開発展などの展示会へ参加して情報収集を行うことをオススメします。
化粧品展示会は年に数回開催されており、国内外の化粧品OEMや原料メーカーが自社の開発品や取扱商品を展示しています。
化粧品展示会については、他の記事で詳しくまとめていますので、宜しければそちらもご参考ください。
https://info.bentenmarket.com/oem/about-exhibition/
ご当地コスメを販売するには 〜道の駅以外の販売も?〜
それでは、ご当地コスメはどの様に販売すれば良いでしょうか。
まず最初の段階としては、道の駅やパーキングエリアに展開することが多いと考えられます。
更に、道の駅やパーキングエリアにオフィシャルサイトがあれば、そこでの販売も可能であると考えられます。
また、近年ではSNSが一般化してきているため、販売店やブランドのオフィシャルSNSアカウントを立ち上げ、広告活動を行いながらオンラインで販売促進を行う手法もあります。
顧客に響く商品設計や広告を行うことによって「バズる」可能性も十分考えられるため、積極的に活用することをおすすめします。
まとめ
今回はご当地コスメで展開されている主な商品の特徴や、化粧品OEMを活用した開発方法などについてご説明させていただきました。
インターネットやSNSの発展により、いつでも簡単に地方の情報を得られる時代になってきました。
その地域の魅力を活かした商品開発や広告活動を行うことにより、ヒット商品を生み出しその地域の活性化に繋げられるかもしれません。
ご当地コスメの開発をご検討されている方は、是非この記事を参考にしてみてください。